2013 Fiscal Year Research-status Report
レーザー光学印象とロボット工学を応用したインプラント印象―模型製作システムの評価
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24592935
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
萩原 芳幸 日本大学, 歯学部, 准教授 (00228389)
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Keywords | 歯科インプラント / レーザー光学印象 / Encode |
Research Abstract |
日本におけるインプラントの光学印象はいまだに幅広い臨床応用がなされていない.特に今回研究対象としている「Encode」システムに対応可能な光学印象器機が限定されている(日本では1機種のみ).かつCADデザインおよびアバットメント・上部構造をミリングすCAMセンター共に国内に存在しないために,一般的な臨床応用まではもう少し時間がかかる.一方,光学印象を用いずに,通常の印象採得および模型作製を経てコード情報を読み取る「模型法」での臨床応用は可能になってきている. 「模型法」による三次元的模型精度の比較では,昨年度の単独欠損モデルから臼歯部遊離端欠損モデル(下顎第一歯小臼歯,第二大臼歯相当部にインプラント埋入)における印象精度評価に進んだ.インプラントトップ部の外部六角回転防止機構(External HEX)の位置変位は,個々のインプラントおよび複数インプラントの相対的位置変化量を測定した.その結果,X-Y軸変化は35~50μm,X-ZおよびY-Z軸変化は30~40μm程度であった.これらの変位には特定の方向特異性は認められず,印象精度には残存歯の影響や対象部位の顎堤形態等の複雑な要因が関連すると思われる.臨床的には従来の印象用コーピングを用いた印象・模型精度とほぼ同程度である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通りに光学印象に関しては,使用可能な光学印象器機が1機種しかなく,また読み取ったデータからコンピュータ画像上で仮想ワックスアップを行い,専用のミリングセンターでそれを作製する一連の作業工程が日本からはオンラインで処理ができない状況に陥っている.そのために,読み取った光学印象を記憶媒体に一度保存して,それを直接米国あるいはスペインに郵送する方法が取られている.そのために光学印象関連の研究の進捗状況に遅れが生じている.一方「模型法」による評価はほぼ予定通りの進捗状況と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
特に複数埋入,クロスアーチ,相互的角度・位置関係の不正等により光学印象が受ける影響について検討を積極的に行いたい.埋入本数と部位に関しては ①下顎遊離端2本埋入(以下遊離端モデル),②下顎無歯顎オトガイ孔間4本埋入(以下オトガイ孔間モデル)を早い時期に検討したい.印象採得および作業模型の作製はEncodシステムを用いた模型法と光学印象法の模型精度の比較を行う予定である.また,最終年度として研究成果の学会および紙上発表を行いたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
光学印象に関連する研究遂行に遅れが生じており,それに関連する物品費や学会発表に関わる経費が計画段階と若干の齟齬が生じた. 本年度は光学印象関連の研究遂行と,まとめ年として成果発表を様々な形で実施する費用に用いる予定である.
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