2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592941
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
小川 匠 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20267537)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重田 優子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (40367298)
井川 知子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (70552389)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 支台歯形成 / ナビゲーションシステム |
Research Abstract |
本システムは三次元力覚デバイスによる接触感覚を有した教育用支台歯形成シミュレーションおよび形成を視覚的に支援するナビゲーションからなるシステムである.平成24年度は,支台歯形成に最適となる硬組織変形モデル方法を構築し,同時に本モデルを搭載したシミュレータを試作することによって,ナビゲーションシステムへの応用を検討した.支台歯形成ナビゲーションを行うにあたり,リアルタイムかつ定量的な研削変形を行うことが可能な硬組織変形モデル,およびタービンの動きを忠実にコンピュータ上で表現すシミュレータの開発を行う. まず,歯の解剖学的特性を考慮し研削時の衝突圧や摩擦状態などに応じた変形能を有する変形モデルが必要となる.そこで,三次元スキャナを用いて研削する歯のモデルをコンピュータに取り込みポリゴン形状の三次元VRモデルとした.次に,ポリゴン形状の内部をボクセルで充填し,境界球判定処理を用いてタービンモデルとの衝突計算を行う.このときタービンモデルは力覚提示デバイスを用いることで,研削時の衝突圧を力覚として変換して制御を行った.衝突判定が演算された場合,octree アルゴリズムを用いて衝突ボクセルを研削していく.最終的に,ボクセルデータをポリゴン形状に再変換することによって研削処理を実現した.その結果,シミュレーション機能を有する硬組織変形モデルを構築し,シミュレータにより定量的な変形状態が表示された.さらにPhantomから研削時の衝突圧を得られ,実際の支台歯形成に近似した操作が可能となった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的としては支台歯形成シミュレーション・ナビゲーションシステムの構築である.大元である歯を形成するシミュレータの開発には着手し,ナビゲーションシステムへの適応は可能と思われる状態であるため,おおむね順調に進展していると考えている.しかし,よりリアルな研削感覚を付与したり,実際の形成の評価については今後解決していかなければならない問題である. しかし,当初計画していた支台歯型時の形成圧の計測はシミュレータの性質上,使用できないデータとなるため,形成時の摩擦や接触圧に対するデータはナビゲーションシステムに移行した後,実際の形成量とモニター上での形成量を比較することで実際の形成と近似しているかどうか検討を行う予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に開発したシミュレータの研削感覚や切削量などを実際の支台歯形成と近似させるよう調整を行う.さらにシミュレータ完成後,ナビゲーションシステムへ移行していくことで,高い教育効果が期待されるものと考える.また,支台歯形態の評価方法,評価項目を列挙し,システムの改善とともに行っていく.ナビゲーションシステムへ移行した後,ナビゲーションを行うメラミン歯の形成量とモニター上での形成量を比較することでシミュレータの形成量が適切かどうか検討を行う. さらに開発したシミュレーション・ナビゲーションシステムの応用として医局員での予備的検討開発した支台歯形成シミュレーション・ナビゲーションシステムを応用する.アンケートにより本システムの使用感,支台歯の具備すべき条件下での定量的評価を行い,システム構築へフィードバックすることでより効果的なシミュレーション・ナビゲーションシステムを目指す.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の研究計画を遂行するため,支台歯形成用顎模型および形成用ポイントが必要となる.さらにナビゲーションシステムにて使用する光学式マーカー,データの解析を行う統計解析ソフトの購入.また,教育システムであるため,学会等の参加および他大学への訪問により他校の講義・実習など教育に関する状況の把握および学術的情報の収集を行う予定である.
|