2013 Fiscal Year Research-status Report
ナノカーボン物質と生体との相互作用機構の解明と生体機能材料への展開
Project/Area Number |
24592947
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 薫明 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40374566)
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Keywords | ナノカーボンマテリアル / 生体適合性 |
Research Abstract |
本研究では、フラーレンやカーボンナノチューブ(以下、CNT)などの炭素系ナノ微粒子(ナノカーボン)のバイオ応用の可能性を検討する為に、まずナノカーボンの親水化処理を行い、その生体物質・細胞への影響の検討、また体内動態の可視化を試みた。 CNTの表面性状の差異による生体分子との相互作用への影響について検討するため、親水化処理前後のCNT誘導体に対するタンパクの吸着挙動を検討した。表面電荷の異なる3種類(正・負に帯電、及び中性)のタンパクを、未修飾/カルボキシル化CNTへと添加したところ、その吸着挙動に違いがみられた。今後は、用いるタンパクの種類をさらに増加させ、タンパクの表面電荷、形状や分子量による効果を検討する。また、CNTに対して更なる表面修飾を行い、CNT表面とタンパク、生体分子との相互作用の機構の詳細の解明を試みる。 さらに、CNTの生体内での分布をより簡便に可視化するための工夫として、1)顕微ラマン法を用いた臓器内に滞留しているCNTの直接観測、2)表面修飾によるユーロピウム錯体の形成、を試みた。1)としては、親水化CNTを投与したマウスの臓器から、CNT由来のラマン信号の検出に成功した。2)としては、CNT表面への錯体形成には成功したが、未だ十分な発光量は得られていない。両手法とも、生体内でのCNTの滞留挙動を追跡するために有効な手段であるので、今後は更なる条件検討を行い、手法の確立を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CNTの表面性状の差異による生体分子との相互作用への影響については、親水化処理前後のCNT誘導体に対するタンパクの吸着挙動を検討した。表面電荷の異なる3種類(正・負に帯電、及び中性)のタンパクを、未修飾/カルボキシル化CNTへと添加したところ、その吸着挙動に違いがみられた。 CNTの生体内での分布をより簡便に可視化するための工夫として、1)顕微ラマン法を用いた臓器内に滞留しているCNTの直接観測、2)表面修飾によるユーロピウム錯体の形成、を試みた。1)としては、親水化CNTを投与したマウスの臓器から、CNT由来のラマン信号の検出に成功した。一方、2)としては、CNT表面への錯体形成には成功したが、未だ十分な発光量は得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
CNTの生体内での分布をより簡便に可視化するための工夫として、1)顕微ラマン法を用いた臓器内に滞留しているCNTの直接観測、2)表面修飾によるユーロピウム錯体の形成、を試みた。1)としては、親水化CNTを投与したマウスの臓器から、CNT由来のラマン信号の検出に成功した。2)としては、CNT表面への錯体形成には成功したが、未だ十分な発光量は得られていない。両手法とも、生体内でのCNTの滞留挙動を追跡するために有効な手段であるので、今後は更なる条件検討を行い、手法の確立を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度を跨いで使用料の請求が生ずる測定装置使用料の支払や、電子システムの不具合により年度内に処理し切れなかった旅費などが生じたため、次年度使用額の設定が必要となった為。 上述の理由により次年度使用額を生じたので、本年度の使用計画は特段の変更を要しない。当初の計画通り、使用を実施する。
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Research Products
(14 results)