2013 Fiscal Year Research-status Report
チタン合金の電解処理が補綴装置用複合体の耐食性および耐破折性に及ぼす効果
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24592969
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
米山 隆之 日本大学, 歯学部, 教授 (00220773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 英雄 日本大学, 歯学部, 教授 (40199857)
堤 祐介 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (60447498)
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Keywords | 歯学 / 生体材料 / チタン合金 / 表面・界面物性 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
Ti-6Al-7Nb合金およびグレード4純チタンについて、4 mm×1.2 mm×25 mmの板状試料を機械加工によって作製した。前年の結果では試料表面を鏡面まで研磨する条件設定であったが、実験に必要な個数を作製していく過程で、試料のエッジ部の形状が不均一になる問題が判明したため、表面仕上げ条件を#800に変更して試料の再作製を行った。表面処理方法としては、前年の結果を受けて、電解液は水57.2%+グリセリン35.7%+乳酸7.1%、対極は純チタン、作用極-対極間距離35 mm、電解電圧50 Vの条件で表面改質処理を施した。 Ti-6Al-7Nb合金およびグレード4純チタン試料について、曲げ試験による耐破折性ならびに力学的信頼性を検討した結果、Ti-6Al-7Nb合金の最大曲げ強さはグレード4純チタンより有意に大きかった。また、純チタンに歯冠補綴用硬質レジンを積層した複合体試料の最大曲げ強さは、チオウラシル系モノマーMTU-6を含有するプライマー、あるいはMDPを含有するプライマーを使用した試料の方が、ホスホン酸系およびカルボン酸系モノマーを含有するプライマーを使用した試料よりも有意に高かった。また、Ti-6Al-7Nb合金に歯冠補綴用硬質レジンを積層した複合化試料の最大曲げ強さは、チオウラシル系モノマーMTU-6を含有するプライマーを使用した試料の方が、MDPを含有するプライマー、あるいはホスホン酸系およびカルボン酸系モノマーを含有するプライマーを使用した試料よりも有意に高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究の目的に沿って、平成25年度の研究実施計画の全3項目、1) チタン合金試料の作製および表面改質、2) 表面改質チタン合金試料の耐食性評価と処理条件の確定、3) 表面改質チタン合金試料と前装材との耐破折性評価について、計画的に研究を実施した結果、試料表面仕上げ条件の変更はあったが、確実に研究結果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に決定した試料作製条件、表面処理条件で耐食性が改善し、曲げ試験による力学的信頼性の評価を実施することが可能であることが判明したため、さらに表面処理を行ったチタン合金試料と前装材との複合体について、接合性ならびに耐破折性の評価を実施し、臨床応用の観点からの検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究用消耗品の金額に端数が生じたため。 実験試料作製に必要な合金材料、前装材、実験器具、その他の研究用消耗品;実験データ解析のための用品、消耗品;その他、研究のための旅費、学会参加費、論文校閲費、論文投稿費。
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