2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592972
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
李 憲起 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (60350831)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 静 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (50410436)
各務 秀明 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (80242866)
|
Keywords | statin / インプラント / 骨形成 / 骨代謝 / 骨芽細胞 / 炎症サイトカイン / リバウンド / micro-CT |
Research Abstract |
12週齢の成長期と30週齢の成熟期Wister系ラットを用い、インプラントを植立すると同時に、シンバスタチン(10mg/kg/day)を1ヶ月間に段階的減量投与した。投与中0、3、7、14、21、28日目及び投与の完全中止後3、7、14、21、28日目ならびに8週、12週後に、動物用micro-CTを用いてインプラント周囲骨の構造について経時的に観察し、骨量変化および新生骨とインプラントとの骨接触率を計測した。また、投与中3、7、14、21、28日目の脱灰および非脱灰の標本を作製し、インプラント体周囲骨の誘導、形成などの骨代謝について、組織学的に検討した。その結果、シンバスタチン投与群では、投与1週目の時点で、対照群に比較して、インプラント周囲の骨小梁は増加し、骨量が有意に増加した。長期投与中止後7日目以降では明らかな骨小梁や骨量の差は認められなかった。組織学的所見では、シンバスタチン投与群では投与7日目において樹枝状、島状の新生骨がインプラント体周囲を満たしており、活発な骨形成が認められた。コントロール群においても新生骨はインプラント体周囲に認められたが、シンバスタチン投与群に比べ、新生骨はわずかであった。長期投与中止後7、14、21日目においては、シンバスタチン投与群はコントロール群と比較して、明らかな骨小梁や骨量の差は認められなかった。 本研究において、シンバスタチンの全身投与は、インプラント体周囲の早期骨形成を促進することが示唆された。一方、一過性に投与終了後比較的短期間でインプラント周囲の骨小梁は減少し、骨量も有意に減少した。シンバスタチンの短期投与中止がインプラント周囲骨密度や骨梁構造に影響を与え、結果としてインプラント初期固定に影響を与える可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シンバスタチンによるインプラント周囲骨の誘導、形成、骨量変化などの骨代謝を経時的に観察するとともに、組織学的および免疫組織化学的に解析も進めている。また、シンバスタチン投与前後・投与中止による血中の炎症マーカー(IL-6、IL-1β、TNF-α、ならびに転写因子NF-κB、AP-1)濃度の変動をELISAで定量中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
・ 脱灰および非脱灰標本での組織病理学および免疫組織化学の解析により見られるポイントを絞り込み、SEMにてインプラント周囲骨の形態観察を行う。 ・ マウス骨芽細胞由来cell line(MC3T3-E1)を用い、シンバスタチンを添加した増殖培地を用いて誘導培養し、培養上清中のIL-6、IL-1β、TNF-αならびに転写因子NF-κB、AP-1の濃度をELISAで定量する。 ・ 骨髄または脾臓から分離した単球の培養上清中のRANKL、JNK、p38などの定量により、シンバスタチンの骨リモデリング調節経路について検討する
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬の納期が遅くなったため、次年度に使用する研究費が生じた。 次年度の部品費と合わせって使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)