• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

ヒト間葉系幹細胞を用いた効率的な歯槽骨再生療法の開発

Research Project

Project/Area Number 24592976
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionOsaka Dental University

Principal Investigator

隈部 俊二  大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (30288774)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中塚 美智子  大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70368158)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords成長因子 / 分化誘導
Research Abstract

今年度はヒト歯根膜由来細胞を用いて実験を行う前に、予備実験としてまずラット歯根膜由来細胞を用いて、効率的に分化誘導が行える成長因子、また成長因子の組み合わせについて検討を行った。理由は、ヒト抜去歯は一度にたくさん入手できず、有限で、頻用しにくく、また、実験を進めるのに非常に時間がかかるためである。さらに、抜去歯は年齢および性別といった細胞採取の条件を揃えることが難しく、ある程度の実験回数が必要になり、やはり時間がかかるという理由もある。
まずラットの歯根膜から細胞を採取し、培養法を確立した。次にこれまで我々が分化誘導実験を行った際に用いた成長因子のうち、BMP2およびデキサメタゾンを用いて分化誘導実験を行った。細胞は継代を繰り返すと分化してしまうため、初代もしくは継代1回の細胞のみを使用した。
成長因子カクテルの候補を決定する際、細胞をウェルに播種後2時間、1日、3日、7日での細胞数ならびにALP活性を測定した。その結果、BMP2ならびにデキサメタゾン単独より、BMP2 100μMおよびデキサメタゾン 100nMの組み合わせがより分化誘導することが明らかになった。またこの組み合わせで初代、継代1回、継代2回の細胞を用いて実験を行ったところ、継代2回を経た細胞では、播種後1日と3日後、7日後においてALP活性に差がなくなっていることも明らかになった。
以上より、今後本実験を遂行する上で初代もしくは継代1回までの細胞を用いることが必要であること、またBMP2とデキサメタゾンの組み合わせと他の成長因子を比較する必要があることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初ヒト抜去歯から歯根膜を採取し、歯根膜由来細胞の初代培養を行ってから成長因子カクテルを用いて分化誘導実験を実施する予定であった。
実験にはヒト抜去歯が大量に必要であるが、ヒト細胞資源は有限で、短時間に多くの抜去歯を入手することは難しい。また年齢や性別も揃えられず、細胞の条件を一定にしづらいため、非効率である。一方、一部の成長因子カクテルに関しては、これまで我々は実験などで使用したことがなく、本実験において初めて使用することから、実験を効率よく進めていく上でも動態を事前に確認しておく必要が生じた。
そのため、まず予備実験として年齢および性別の条件を一定にしたラット歯根膜由来細胞を用い、各種成長因子カクテルを添加して分化誘導の可否を検討することにした。
現在ラット歯根膜由来細胞の初代培養技法を確立し、BMP2、デキサメタゾンのカクテルによる分化誘導実験を行っている。分化についての検討は、細胞増殖ならびにALP活性の結果をもとに行っている。また、成長因子候補を絞り込むことを検討するため、現在候補になっている12種類の成長因子の受容体RNAの発現を検索している。

Strategy for Future Research Activity

当初12種類の成長因子から一部実施法によりカクテルを作製し、細胞の分化誘導に最適なカクテルについて検討することにしていた。しかし、成長因子によっては反応がよくないもの、逆によく反応するものがあると考えられる。これらについて、カクテル作製の前にある程度見通しを立てることにより、成長因子カクテルの候補を絞り込め、さらに効率よく実験を進めることが可能であると推察している。また、一部の成長因子カクテルに関しては、これまで我々は実験などで使用したことがなく、本実験において初めて使用することから、実験を効率よく進めていくためにも動態を確認しておく必要がある。
従って、今後ラット歯根膜を採取し、RT-PCR法を用いて、現在候補になっている12種類の成長因子の受容体RNAの発現を検索し、成長因子候補をさらに絞り込むことを検討している。この点についてはすでに現在実験を進めており、近々候補を絞り込める予定である。
絞り込んだ成長因子の候補を用いてカクテルを作製し、ヒト細胞を用いる前に引き続きラット歯根膜由来細胞を用いて、最適な分化誘導候補を検索する予定である。その後成長因子の至適濃度を検討するため、分化誘導した細胞からmRNA を抽出し、骨芽細胞分マーカー(Runx2、Osterix、Wnt、Smadなど)の発現を検討する。次に成長因子濃度の各上下10倍および100倍の濃度で成長因子カクテルを作製し、骨芽細胞分化マーカー(Runx2、Osterix、Wnt、Smadなど)の発現を検討する。
以上の実験で12 種類の成長因子から最適な組み合わせと濃度を決定する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は前年度に引き続き、ヒト由来細胞を用いて実験を行う前にラット由来細胞を用いる予定である。このため、ラット購入費として20万円を計上する予定である。また細胞培養およびRT-PCR実施のため、培地やプライマーなど試薬を購入するために60万円を計上する予定である。
細胞培養などに用いる器具購入費として10万円を計上する予定である。さらに研究成果を発表するため、国内学会(歯科基礎医学会、岡山市)および国際学会(IADR、アメリカ)参加費ならびに出張費(2名分)として計40万円を計上する予定である。
平成25年度は、合計130万円を計上する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] コラーゲンスキャフォールドを用いたHMS0014培養細胞による歯科用インプラント体のオッセオインテグレーション

    • Author(s)
      三上豊、隈部俊二、岩井康智
    • Organizer
      第10回日本再生歯科医学会 総会・学術大会
    • Place of Presentation
      ニチイ学館神戸ポートアイランドセンター(兵庫県神戸市)
  • [Presentation] コラーゲンゲルを用いたヒト間葉系幹細胞HMS0014の分化誘導実験

    • Author(s)
      中塚美智子、隈部俊二、橋本典也、細矢明宏、岩井康智
    • Organizer
      第10回日本再生歯科医学会 総会・学術大会
    • Place of Presentation
      ニチイ学館神戸ポートアイランド(兵庫県神戸市)センター
  • [Presentation] 間葉系幹細胞の三次元培養による硬組織形成能の評価

    • Author(s)
      中塚美智子、隈部俊二、細矢明宏、安春英、上田甲寅、乾千珠子、松田哲史、岩井康智
    • Organizer
      第54回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • Place of Presentation
      奥羽大学(福島県郡山市)
  • [Presentation] An experiment on in vitro bone tissue formation by HMS0014 human mesenchymal cells cultured on surface modified titanium plates

    • Author(s)
      M. NAKATSUKA, S.KUMABE, Y. HASHIMOTO, A. HOSOYA, C. AN, K. UEDA, C. INUI-YAMAMOTO, Y. MATSUDA, Y MIKAMI、Y.IWAI
    • Organizer
      International Conference on Progress in Bone and Mineral Research 2012
    • Place of Presentation
      Tech Gate Vienna(Vienna、Austria)

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi