2012 Fiscal Year Research-status Report
びまん性硬化性下顎骨骨髄炎に対する新たな非侵襲的診断法と治療法の開発
Project/Area Number |
24592977
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 裕 北海道大学, 大学病院, 講師 (90250464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00224957)
秦 浩信 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70450830)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨髄炎 / びまん性硬化性下顎骨骨髄炎 / 骨シンチ / ビスフォスフォネート製剤 |
Research Abstract |
びまん性硬化性下顎骨骨髄炎(Diffuse Sclerosing Osteomyelitis of Mandible: 以下DSO)は、病因が未だ不明で根治的治療が確立されていない難治性疾患である。DSO以外の下顎骨骨髄炎が、細菌感染による炎症性疾患であるのに対し、DSOは無菌性の骨髄炎である。病理組織学的にも、非特異性の慢性炎症像しか認めないため、診断がなかなかつけられず、患者は頑固な疼痛に長期間悩まされ続け、NSAIDsが年単位で投与されてもコントロールはつかず、患者のQOLは著しく低下する。この間、抗菌薬の長期間投与や、高気圧酸素療法、外科的消炎術が繰り返し施行され、症状は発作と緩解を繰り返し病変の一時的寛解は得られても、完全制御は困難である。現在、DSOに対し最も有効な治療法は、ビスフォスフォネート(以下BP) 製剤だがほとんどの症例で劇的な除痛効果が得られている。したがって早期に診断を下し、無効な外科的治療を避けて、BP製剤を投与するための画像診断学的評価法の確立を目的とした。3phase骨シンチで、第1相の動脈相、第2相の血液プール相、第3相の骨相、FDG-PETの SUVmaxを測定し、他の骨髄炎症例と比較検討した。 結果は両画像検査においてDSO以外の骨髄炎と異なり、DSOに特徴的な所見を得た。すなわち、3phase骨シンチでは、第1相の動脈相の集積低下、第2相の血液プール相と第3相の骨相での集積亢進が認められること。FDG-PETでは、骨シンチの集積よりも範囲、強度が共に弱く、他の骨髄炎に比しSUVmaxが有意に低い結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DSOはまれな疾患であるが、昨年1年間に当科外来に受診した患者は例年よりも少なく2例のみであったため、データの集積が思うようにいかなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、当科のDSO症例に対し3phase骨シンチで、第1相の動脈相、第2相の血液プール相、第3相の骨相、FDG-PETの SUVmaxを測定し、他の骨髄炎症例と比較することを継続し、症例を蓄積する。新たに、切除骨組織からの病理組織標本、免疫組織標本の検索、CT画像で下顎管の拡大、軟組織病変の関与を検索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
DSO症例が少なかったため、画像検査数が予定より少なくなり極わずかな残金を生じたが、当初の予定を変更する必要はなく、予定通り放射性薬剤原料、PET薬剤合成、薬品、プラスチック器具の消耗品と、国内ならびに海外の旅費に当てる。
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Research Products
(1 results)