2014 Fiscal Year Annual Research Report
びまん性硬化性下顎骨骨髄炎に対する新たな非侵襲的診断法と治療法の開発
Project/Area Number |
24592977
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 裕 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90250464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00224957)
秦 浩信 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70450830)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨髄炎 / びまん性硬化性下顎骨骨髄炎 / 骨シンチ / ビスフォスフォネート製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
びまん性硬化性下顎骨骨髄炎(Diffuse Sclerosing Osteomyelitis of Mandible: 以下DSO)は、病因が未だ不明で根治的治療が確立されていない難治性疾患である。DSO以外の下顎骨骨髄炎(慢性化膿性骨髄炎:以下Odont、放射線性顎骨骨髄炎:以下ORN、ビスフォスフォネート製剤関連顎骨壊死:BRONJ)が、細菌感染による炎症性疾患であるのに対し、DSOは無菌性の骨髄炎であるため、抗菌薬や外科的消炎術には反応せず、炎症性の血液マーカーにも反応しない特徴を有する。病理組織学的にも、非特異的な慢性炎症像しか認めないため、診断に苦慮し治療が難渋するため病悩期間は長期に及び、患者のQOLは著しく低下する。現在、DSOに対する最も有効な治療法は、ビスフォスフォネート製剤(以下BP)の投与である。従ってできるだけ早期にDSOの診断を下し、無効な外科的治療や消炎療法を避けて、BP製剤を投与することが求められている。本研究の目的は画像診断学的に他の骨髄炎と鑑別できるようなDSOの特徴を検索することである。最終的に、DSO:10例、Odont:16例、ORN:14例、BRONJ:8例を経験した。FDG-PETのSUVmax±SDは、DSO: 1.99±0.56、Odont: 2.33±1.21、ORN: 3.34±1.95、BRONJ: 4.42±1.13で、DSOが他の骨髄炎に比べ、有意に低い値であった。3phase骨シンチでは、DSOは他の骨髄炎に比し動脈相の集積は低いが、血液プール相と骨相は集積が亢進していることが分かった。また、CTで下顎管の拡張傾向、咀嚼筋の腫大からなる軟組織病変を認めた。
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