2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨分化能の高い歯髄由来間葉系幹細胞の単離・同定と効率的な顎骨再生への応用
Project/Area Number |
24592980
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山縣 憲司 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00420084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大根田 修 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30311872)
長野 真澄 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30436282)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 細胞表面マーカー / 骨分化能 / Runx2 / ALP / TGF-beta |
Outline of Annual Research Achievements |
歯冠完成期の歯髄由来間葉系幹細胞において、骨分化マーカーの代表的な因子の一つであるRunx2の発現が、歯根形成期ならびに歯根完成期の歯髄由来間葉系幹細胞と比較して骨分化誘導前から有意に上昇していることから、Runx2の時期特異的発現異常による骨分化能抑制が原因として考えられた。Runx2の標的因子は、Col1, OPN, OCで、本研究でも歯冠完成期の歯髄由来間葉系幹細胞は他時期由来と比較して有意に高い発現を示すことが分かった。 一方、歯冠完成期の歯髄由来間葉系幹細胞の骨分化過程において、骨分化マーカーの一つであるALPの発現が、他時期由来の間葉系幹細胞と比較して有意に低い発現を示すことが分かった。そこで、歯冠完成期の歯髄由来間葉系幹細胞にALPを遺伝子導入することで、正常な骨分化が誘導されるかについて、Runx2の発現を含め、骨分化能について解析を行った。その結果、ALP遺伝子導入群では、正常な骨分化誘導が見られることが分かったが、Runx2の発現抑制は見られないことが明らかとなった。 次に、Runx2の発現を制御している因子として、TGF-betaおよびBMP-2の発現解析を行った。それらの遺伝子は、歯冠完成期の歯髄由来間葉系幹細胞において、他時期由来の間葉系幹細胞と比較して有意に高い発現を示すことが分かった。そこで、TGF-beta抑制因子を加えることにより、歯冠完成期の歯髄由来間葉系幹細胞において正常な骨分化誘導が見られるかについて解析を行った。TGF-beta抑制因子を加えた群では、抑制因子を加えなかった群と比較して、骨分化誘導前(day 0)では、有意にRunx2の発現を抑制しているが、骨分化誘導が進むにつれて、有意にRunx2の発現を抑制しないことが明らかとなった。このことから、Runx2の発現を制御している因子は、他に存在する可能性があることが推測された。
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