2013 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼能力および唾液が食後高血糖・耐糖能異常に及ぼす影響
Project/Area Number |
24592985
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
家森 正志 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90402916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別所 和久 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90229138)
高橋 克 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90314202)
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Keywords | 歯学 |
Research Abstract |
滋賀県長浜市「ながはま0次予防コホート事業」においておよそ1万人の市民を対象とした健診を行った。歯科検診では、歯周病やウ蝕等の検診に加えて、咀嚼能率検査を行った。咀嚼能率検査はロッテ社製キシリトールガム咀嚼判定用#9415を用いて咀嚼し、変化したガムの色を測色計で検査、算出値と咀嚼前の色素変化(色差)を定量化した。そのほか血液検査や身体計測、血圧測定、心電図、体脂肪率などの生理学的データや生化学的データに加えて自記式アンケートにより生活習慣を調査した。対象年齢は40-74歳とした。男女別に層別解析し、交絡因子を調整するためにロジスティック回帰分析を行った。年齢層別に検討したところ、年齢層が高いほと咀嚼能率が低く、糖尿病の罹患が高かった。咀嚼能率を4分位で分けて検討したところ、BMIや血圧、HbA1c,血糖値、HDL糖尿病歴に分布の差は認めなかった。咀嚼能率の高い群ほど喫煙習慣は少なく、飲酒習慣は高かった。運動習慣、カロリー摂取においては群間の分布の差は認めなった。また咀嚼能率の高い群では歯周病の罹患は低かった。咀嚼能率と糖尿病のリスクについて検討したところ男女ともに咀嚼能率の高い群ほど糖尿病のリスクが低い傾向を認めた。年齢とそのほか交絡因子を調整後、女性ではその関連が認められなかったが、男性では依然その関連性を認めた。咀嚼習慣の観点では男性において咬む速さが早くなるほど糖尿病のリスクが高くなった。この結果についてはPLOSONEに掲載された。そこで、咀嚼能率が糖尿病とどのように関連するか検討するため、インスリン抵抗性について検討した。男性及び女性それぞれにおいて年齢層別解析の結果、30-49歳の壮年期において咀嚼能力が低いほどインスリン抵抗性が高い傾向を認めた。咀嚼能率の低下はインスイリン抵抗性の増大と関連することが示唆された。
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