2014 Fiscal Year Research-status Report
顎骨腫瘍・嚢胞による骨吸収機序の研究―破骨細胞形成機序の解析―
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24592986
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
相川 友直 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (00362674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木全 正彰 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (90448134) [Withdrawn]
宮川 和晃 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50635381)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯原性腫瘍 / 歯原性嚢胞 / TGF-beta / RANKL / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎骨病変による骨破壊、骨吸収機序を明らかにすることを目的とし、顎骨農法・腫瘍性病変が産生するサイトカイン、特にTGF-betaに焦点を当て、顎骨病変の間質線維芽細胞での破骨細胞活性化因子である RANKL の発現機序を検討した。 昨年度までに、顎骨腫瘍・嚢胞がサイトカイン、TGF-beta およびIL-1 alphaを産生し、間質線維芽細胞のRANKL発現を促進すること、かつ、二因子に相乗効果があることを見出していた。そして、TGF-betaはRANKL遺伝子の転写を促進する可能性が示唆されたためその詳細をRANKL遺伝子のプロモーター活性を指標に検討した。 その結果、TGF-betaは間質線維芽細胞のRNAKLプロモーター領域の上流176bpを含む領域のルシフェラーゼ活性を促進することが明らかとなった。 このプロモーター領域をヒト骨芽細胞に導入してTGF-beta 刺激を加えてもルシフェラーゼ活性は促進されず、骨芽細胞とは異なり、間質線維芽細胞特有の反応である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度、研究期間中、細胞を凍結保存していた冷凍庫の故障が生じ、本研究に用いていた顎骨病変より分離した間質線維芽細胞をすべて失った。同時に、一部の抗体等をも失った。 特に、間質線維芽細胞は各種顎骨病変から分離した細胞で、購入や譲渡を受けられないため、再度、同意の得られた患者の臨床検体から細胞を分離、培養する必要が生じたため、研究の遂行に支障が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
種々の顎骨病変から間質線維芽細胞を分離、培養し、細胞実験可能な状態にある。 1)TGF-beta シグナルによるRANKL遺伝子制御のメカニズムを検索する。 2)転写調節部位に作用するシグナル分子、転写因子を解析し、その転写複合体とTGF-beta シグナルの関与を証明する。 3)骨芽細胞と間質線維芽細胞でのRANKL転写調節機序の違いを自ら作成したRANKL遺伝子プロモーター配列を用いて検討する。 4)TGF-betaとIL-1 alpha のRANKL遺伝子発現への相乗効果を間質線維芽細胞のシグナル伝達経路を検討することで明らかにする。 以上の研究方針である
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Causes of Carryover |
合計60万円の研究費が執行されなかった。本研究に使用していた各種細胞を凍結保存していた大型冷凍庫の故障による、細胞の損失が生じたため予定していた研究が遂行されなかった。 このため、あらたに各種顎骨病変から間質線維芽細胞を分離、培養する必要が生じた。臨床検体からの細胞分離のため、細胞の樹立に時間を要した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定されていた研究内容を遂行するため、研究期間を1年間延長し、当初の予定の研究を行う予定である。 具体的には、平成27年度は未執行予算を用いて成果達成に必要な試薬の購入と国内学会での成果発表と情報収集、そして学術論の作成準備、投稿費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)