2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592988
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島末 洋 広島大学, 病院(歯), 助教 (40335683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛梅 圭 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 准教授 (40350037)
鎌田 伸之 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (70242211)
東川 晃一郎 広島大学, 病院, 講師 (80363084)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌の浸潤 |
Research Abstract |
「外向性」と「内向性」の癌組織の違いは、単純にそれら癌細胞の増殖能と運動能の違いに止まらないと考えられる。つまり「外向性」の癌組織を構成する癌細胞は増殖能が高くても「癌細胞間接着を保持した癌細胞集団」に間質への浸潤能がない。一方で「内向性」の癌組織は「癌細胞間接着を保持した癌細胞集団」として間質への浸潤能を持っており、高い増殖の結果によって少なくとも癌細胞が栄養不足で細胞死しないための間質との相互作用の存在が想定される。 「癌胞巣の間質に接する癌細胞は外因性CCN1によって細胞運動能を獲得し、さらに内因性CCN1の発現が誘導されて細胞外に産生し、隣接する癌細胞にその機序が伝動していき、癌細胞集団である癌胞巣そのものに間質へ浸潤する能力を得る」と想定し、癌組織検体の病理切片の癌胞巣の組織像において、もちろん各症例内で混在しているが、経験的および統計学的に類円形の大きな胞巣を形成する癌よりも柵状の癌胞巣を形成する癌の方が進展が速く治療予後が悪い。これは細胞間接着を保持した癌集団にとって柵状の方が「間質との接触範囲が広く」、間質からの栄養などを取り込みやすいという理由もある。 そこで「上皮内癌あるいは癌胞巣で間質に接する癌細胞に対し、どの液性因子がどういった組み合わせでそれら癌細胞に、浸潤に必要な特性(細胞運動能、抗免疫能、抗アポトーシス能、抗癌剤耐性など)を与えるのか」を検討し「液性因子による伝動」の観点からCC1が口腔癌の局所浸潤モデルにおけるひとつの役割について解明し、論文報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔癌の局所浸潤の分子生物学的モデルの一つを完成させ、一つの区切りとして論文を作成し受理された。 Tanaka F, Rizqiawan A, Higashikawa K, Tobiume K, Okui G, Shigeishi H, Ono S, Shimasue H, Kamata N. Snail promotes Cyr61 secretion to prime collective cell migration and form invasive tumor nests in squamous cell carcinoma. Cancer Lett. 2013 (2):243-52.
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Strategy for Future Research Activity |
口腔癌の局所浸潤の分子生物学的モデルの一つを完成させ、大枠の局所浸潤メカニズムが提示できた。今後はこのモデルの検証として詳細な遺伝子カスケードを検索するとともに、他の浸潤像から推察する新たな側面からのモデルを構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
機器は既に揃っており、新たな機器の購入はなく、主に消耗品の購入に研究費を当てることになる。そのほかは学会参加費としての旅費および論文作成費となる。
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Research Products
(2 results)