2013 Fiscal Year Research-status Report
生理学的モデルに基づいたバーチャルリアリティによる舌癌手術訓練装置の構築
Project/Area Number |
24592990
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松井 義郎 香川大学, 医学部, 教授 (10181687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 一孔 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (20225452)
三宅 実 香川大学, 医学部, 准教授 (20239370)
三木 武寛 香川大学, 医学部附属病院, その他 (20625181)
党 建武 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (80334796)
澤田 秀之 香川大学, 工学部, 教授 (00308206)
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Keywords | 口腔外科 / 舌癌 / バーチャルリアリティ / 手術訓練 |
Research Abstract |
舌部分切除術を表現したバーチャルリアリティシミュレーションのプロトタイプソフトウェアを開発した。舌の形態は、バーチャルボールにて形成されたのち、表面に粘膜を表現したグラフィックを貼ることで表現された。バーチャルボールは1辺25個の立方体の範囲内にあり、物体を三次元としてとらえることが可能となった。それぞれの球が隣接する球と結合することで、物体の硬さを表現しており、値を変動させることで正常な組織と、腫瘍組織の硬さの違いを表現することが可能である。切除する道具として、メス・電気メスを使用することが可能であり、それぞれ使用感は現実のものに類似している。また、実際の手術で重要な組織のけん引操作は、非利き手でのけん引操作だけでなく、けん引位置を記録させることにより、実際の手術では複数人によって行われる動作を、訓練者一人で行うことができるようになった。 今回のプロトタイプ開発により、バーチャル上における舌手術の再現に成功し、口腔外科医が複数回にわたって繰り返し訓練を行うことが可能となり、臨床医の技術向上に役立つ可能性が示唆された。しかしながら、患者固有のデータでバーチャル舌を作成したり、腫瘍の進展具合を硬さを確認しながら確認するといった、舌手術における最も重要な技術に関しては、現在検討段階である。今後より実際の環境に類似したシミュレーションソフトを開発するためには、より細かい構造物の設計や、触覚システムの開発が必須であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
舌部分切除術を表現したバーチャルリアリティシミュレーションのプロトタイプソフトウェアを開発することができた。バーチャル舌の再現性は高く、バーチャルボールの設定値を変動させることにより、部分的に色や硬さを変化させることで、視覚的にリアルな質感を表現することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
舌腫瘍の切除において最も重要な、腫瘍の進展度の判断、すなわち硬さの触知、把握を訓練するための触覚システムの開発が必要と考える。使用するデバイスや操作方法の検討を現在行っている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在、バーチャルリアリティ舌切除手術訓練システムを実際に使用した評価実験を行っており、結果に従ってソフトウェアのアップデートを行う予定である。当初よりアップデートにかかる費用に充てる予定であったが、現段階で実験中であり、まだアップデート内容が定まっていないため、次年度使用額とした。 ソフトウェアのアップデート内容を検討し、明確に定まった上で、企業と協力しシステムの向上を図る。次年度使用額は全てその費用として用いる予定である。
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