2014 Fiscal Year Annual Research Report
遊離皮弁生着率向上のための虚血再灌流障害抑制法の確立
Project/Area Number |
24592992
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
笹栗 正明 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (00225898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光安 岳志 九州大学, 大学病院, 助教 (00380519)
豊嶋 健史 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20546569)
中村 誠司 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60189040)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 虚血再灌流障害 / 微小血管吻合 / 遊離組織移植 / 血行障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までの結果でPrimary ischemia(PI)は4時間を越えると皮弁の生着に影響を及ぼすことがわかった。また、血管吻合後に生じるSecondary ischemia (SI)ではPIに時間が長くなるとSIの時間が同じでも、血行障害のレスキューにおいて生着率が低下する事がわかった。 平成26年度は皮弁処理がPI,SI後の皮弁生着率に及ぼす影響を検討した。初回血管吻合時に皮弁処理として皮弁採取直後(A)また吻合直前(B)にヘパリン加生食、または生食で皮弁内を還流させる処理を行い①ヘパリンA群、②ヘパリンB群、③生食A群、④生食B群、⑤無処理群の5群に分けた。【結果】PIへの影響としては無処理群ではPI2時間、4時間、6時間で生着率が100%,75%,25%であったのに対し、ヘパリンA群はPI2時間、4時間、6時間で生着率が100%,100%,75%、ヘパリンB群でも生着率が向上した。生食A群でも100%,100%,25%であり、皮弁挙上直後にヘパリン加生食または生食で皮弁内を還流させる事は生着率の向上につながるが、ヘパリン加生食の方がより効果的である事がわかった。次に皮弁処理群と未処理群でのSIに対する生着率を比較した。未処理群ではPI2時間群でSI2時間、4時間、6時間で生着率は75%,50%,0%であったが、処理群では生着率が向上し、特にヘパリンA群での生着率が向上していた。同様にPI4時間群においてもSI2時間、4時間、6時間でヘパリンA群において未処理群より生着率が向上していたが、どの群もSIが6時間になると生着率はかなり低下した。以上より皮弁挙上直後のヘパリン加生食による皮弁内洗浄は、初回吻合の生着率を向上させるのみでなく、血管吻合後に生じた血行障害からのレスキューにおいても生着率の向上に寄与すると考えられた。
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