2013 Fiscal Year Research-status Report
組織幹細胞を用いたドライマウスの新しい治療法の開発
Project/Area Number |
24592993
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大山 順子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70294957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城戸 瑞穂 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (60253457)
梶岡 俊一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (90274472)
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Keywords | 口腔外科学 / ドライマウス / シェーグレン症候群 / 組織幹細胞 |
Research Abstract |
近年組織幹細胞と呼ばれる細胞の存在が明らかになり、他の胚葉系にも分化可能な多能性幹細胞があることが明らかとなり、組織再生へ応用されている。中でも間葉系幹細胞は種々の疾患において障害された細胞に替わって移植した細胞が組織再生を担うといった細胞移植療法の最終目的だけでなく、残存する細胞の活性化や細胞の障害を抑制することで症状を緩和したり病期の進行を抑制させるなど種々の効果も認められているが、唾液腺での報告は少ない。 本研究ではドライマウスの中でシェーグレン症候群(SS)、放射線障害、加齢に対応するモデルマウスの顎下腺に間葉系幹細胞を移植することで、唾液腺の機能回復、ドライマウスの症状改善をはかることを目的としている。 ドライマウスのモデルとして①研究代表者が以前作成した自己免疫性唾液腺炎モデルマウス、②放射線照射モデルマウス、③加齢モデルマウスの3系統を使用し、移植する幹細胞としては脂肪組織中に存在する間葉系幹細胞(Adipose tissue derived stromal cell: ADSC) または骨髄間葉系幹細胞を用いている。①のマウスはクリーンアップ後に交配を行っているが、途中出生後に仔が発育しない時期がしばらく続いたため、実験可能な個体数を確保している状態で、加齢マウスがようやく確保できる状態となって来た。その間、ラットやヒトに比べてマウスでは間葉系幹細胞の培養が困難と言われているが、その条件設定を行ってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年クリーンアップを行った①の2系統のマウスの交配を行っているが、途中出生後に仔が発育しない時期(母親の食殺、育児放棄)が続き、個体を替えて交配を行っており、実験開始の個体数確保にあたっている。
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Strategy for Future Research Activity |
SSモデルマウス、加齢モデルマウスにおける唾液分泌量の敬司的変化の観察は週1回腹腔内麻酔下にピロカルピンを腹腔内投与し、5分から30分の間に口腔内に流出する唾液を毛細管で採取して行う、これらのマウスの顎下腺の組織変化の観察とRNA抽出を行う。機能低下を認める2-4週前のタイミングを確定して幹細胞移植時期を決定する。 ADSCの分離培養を行い 当初の予定通り組織移入も行なうが、分離培養したADSCと唾液腺組織の相互作用を in vitro でも観察して分化についての検討し、in vivo での実験のサポートとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年クリーンアップを行った2系統のマウスの交配を続けてるが、途中出生後に仔が発育しない時期(母親の食殺、育児放棄)が続いたために個体数の確保ができず、昨年行う予定の計画が遅れているため今年にその計画をあわせて行う必要が生じた。 まず個体数を増やすことが絶対的に必要であるため、マウスの繁殖維持の規模を拡大するのに費用を用いる。またADSC分離培養とその解析、 in vitro での分化実験に使用する培養に使用する。また組織染色委託費用等の物品費用に使用する。 口腔外科学会総会、シェーグレン症候群学会に参加し、情報種集を行う。
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