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2012 Fiscal Year Research-status Report

低酸素環境における口腔癌細胞の悪性化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24592995
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionUniversity of Occupational and Environmental Health, Japan

Principal Investigator

宮脇 昭彦  産業医科大学, 大学病院, 講師 (40200216)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 池田 龍二  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (50398278)
中村 典史  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60217875)
比地岡 浩志  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70305150)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords解糖系代謝 / メタボローム
Research Abstract

我々はこれまで、解糖系代謝亢進は多くの癌細胞で観察される生物学的特性である点に着目し、口腔癌患者の生体組織検査の検体を用いて、HIF-1α, Glut-1, VEGFの免疫学的手法により、HIF-1αやGlut-1の発現が高い程、FDG-PET検査におけるFDGの取り込み(代謝)が亢進することを見いだし、そのことは口腔癌治療における治療抵抗性が獲得されることを報告した。さらに口腔癌の低酸素環境がNotchシグナルを介して口腔癌細胞のEMTに関連する事を見いだした。平成21年度基盤研究C『口腔前癌病変における解糖系代謝活性とその意義において』は口腔前癌病変の比較的早期において解糖系代謝亢進と関連する所見を得た。またPDK1の免疫組織学的染色結果では口腔前癌病変が中等度異型、高度異型、さらに上皮内癌、癌へ進行していくに従い解糖系酵素であるPDK1の発現増強がみられ、上皮異型の早期の段階において解糖系代謝の変化があることが示唆された。解糖系代謝亢進によって蓄積される乳酸は一種の老廃物という考えが一般的であったが、最近のトレーサー実験の結果から各組織へのエネルギー基質輸送の媒体として、乳酸が寄与していることが明らかになっている。最近、各組織の細胞膜表面に乳酸のトランスポーターであるMCTが同定され、MCT1-5の5種類のアイソフォームが知られている。その中でMCT4は骨格筋の細胞内から外への乳酸輸送を促進することがわかっているが、ある種のがん細胞においてもMCT4の発現と予後との関連が示唆されている。我々は今回、口腔前癌病変においても、基底細胞を中心に発現が亢進していることを見いだしている。今後さらにメタボローム解析して口腔癌細胞の解糖系代謝亢進と悪性形質獲得の関連を明らかにする予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成21年度基盤研究C『口腔前癌病変における解糖系代謝活性とその意義において』は口腔前癌病変の比較的早期において解糖系代謝亢進と関連する所見を得た。またPDK1の免疫組織学的染色結果から、上皮異型の早期の段階において解糖系代謝の変化があることが示唆された。最近、各組織の細胞膜表面に乳酸のトランスポーターであるMCTが同定され、MCT1-4の4種類のアイソフォームが知られている。その中でMCT4は骨格筋の細胞内から外への乳酸輸送を促進することがわかっているが、ある種のがん細胞においてもMCT4の発現と予後との関連が示唆されている。このように口腔癌組織において解糖系代謝に関わる酵素の発現増強、代謝産物である乳酸のトランスポーターの発現増強など、解糖系代謝亢進と口腔癌の悪性形質の獲得が関連するデータは蓄積されつつあるが、口腔癌細胞の網羅的なメタボローム解析の結果が得られていないため、さらに研究をすすめる予定である。

Strategy for Future Research Activity

口腔癌組織において解糖系代謝に関わる酵素の発現増強、代謝産物である乳酸のトランスポーターの発現増強など、解糖系代謝亢進と口腔癌の悪性形質の獲得が関連するデータは蓄積されつつあるが、本来の目的である口腔癌細胞の網羅的なメタボローム解析の結果が得られていないため、研究分担者と密に連携し研究を推進していく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究代表者が鹿児島大学から産業医科大学へ所属研究機関の変更があり、それに伴って研究室の整備に当たってきた。実験機器あるいは必要な物品の違いが生じたことと、今後の研究の推進には研究分担者との研究打ち合わせが必要と考え繰越金が生じた。従って次年度は、口腔癌細胞培養に関わる試薬、ならびにメタボローム解析分析するための物品費ならびに研究うち合わせに研究を振り分けて請求し研究の遂行に当たる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 上顎粘膜部に生じた腺房細胞癌の2例2012

    • Author(s)
      久米健一、宮脇昭彦、比地岡浩志、石田喬之、仙波伊知郎、中村典史
    • Journal Title

      日本口腔外科学会雑誌

      Volume: 58 Pages: 526 530

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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