2012 Fiscal Year Research-status Report
セロトニンによるセメント芽細胞分化と歯周組織形成制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
24592996
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
平田 あずみ 大阪医科大学, 医学部, 助教 (40263587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植野 高章 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60252996)
松村 達志 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70432648)
井村 英人 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤講師 (10513187)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セロトニン / セロトニンレセプター / セロトニントランスポーター / 歯 / 歯周組織 / 分化 / 国際情報交換 / フランス |
Research Abstract |
セロトニンレセプターノックアウトマウスについて解析を行ったところ、μCTでは臼歯歯冠部エナメル質形成不全が観察された。歯根および歯周組織形成については、μCTの所見では大きな異常は確認されなかった。またSEMではエナメル小柱の不正な結晶構造が観察された。これらの結果より、セロトニンはエナメル芽細胞の機能に関与していること、その作用はレセプターを介して生じる可能性が示唆された。これらの結果を踏まえ、歯の形成過程におけるセロトニンレセプター局在を検討したところ、市販の抗体では良好な反応性を示さなかったため、新たに抗体を作製しているところである。一方、セロトニンの再取り込みを行うセロトニントランスポーターに着目し、その局在を検討したところ、歯冠形成期エナメル芽細胞、歯根形成期Malassez上皮遺残およびHertwig上皮鞘にセロトニントランスポーター局在が観察された。これらの結果より、歯・歯周組織形成へのセロトニンの関与が裏付けられ、さらにトランスポーターの歯・歯周組織形成への関与が推察された。歯根形成期マウス歯周組織採取による培養実験は、回収できる細胞数がわずかで検討が困難であると判断し、器官培養系を用いている。歯・歯周組織形成に加え、口腔組織形成を観察する目的で、胎児期マウスの二次口蓋形成過程におけるセロトニントランスポーター局在について検討を行ったところ、水平位に拳上した口蓋突起先端部上皮細胞および完成した口蓋の口腔粘膜上皮基底層~中間層にその局在が観察され、セロトニントランスポーターはセロトニンの制御を介して口蓋突起上皮細胞の分化を調節する可能性が示唆された。これらの結果については第57回日本口腔外科学会総会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.研究代表者の所属機関変更に伴い、研究実施環境の整備等に時間が必要となったため。 2.市販の抗体では不良な結果しか得られず、新規に抗体を作製する必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 歯の形成過程におけるセロトニンレセプター局在について、新たに作製した抗体を用いて免疫組織化学的検討を行うとともに、その反応性によっては、追加の抗体を作製する。 2) 器官培養系を用いて、歯根形成期歯周組織の培養実験を行う。 3) 歯周組織観察用ビーズ埋入in vivoモデルマウスを作製する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記のとおり、研究がやや遅延しており、それに伴い未使用額が生じている。未使用額と次年度の研究費とをあわせ、下記に使用する予定である。 1)セロトニンレセプター抗体作製およびそれを用いた免疫組織化学的検討のための試料作製に用いるマウス、試薬等 2)器官培養に用いるマウス、試薬等 3)モデルマウス作製のためのマウス、ビーズ、試薬等
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Research Products
(2 results)