2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592998
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
東條 格 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70405439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 茂之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50228996)
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Keywords | 顎関節内障 / テネイシンC / テネイシンCノックアウトマウス / フィブロネクチン / 筋線維芽細胞 |
Research Abstract |
重度の顎関節内障では、関節窩と顎関節円板の間に線維性癒着が生じる。この線維性癒着にテネイシンC(TNC)が関与しているかをフィブロネクチンと筋線維芽細胞に着目して検討している。過開口後7日目に野生型(WT)マウスにおいて関節円板の線維性癒着を認めたが、テネイシンCノックアウト(TNCKO)マウスでは関節円板の線維性癒着は認めなかった。さらに過開口後20日目では、TNCKOマウスにおいても線維性癒着を認めたが、WTマウスよりも癒着の範囲は狭かった。タンパクの発現については、TNCKOマウスにおいてフィブロネクチンと筋線維芽細胞の存在を示すα-SMAの発現量がWTに比べて少なかった。TNCは糖タンパク分子の構造を持つ細胞外マトリックスで、TNCは形態形成、創傷治癒などの組織再構築過程において重要な役割を果たす細胞外マトリックスと考えられている。TNCKOマウスでは線維性癒着の時期がWTマウスよりも遅れる傾向があったことから、TNCは顎関節組織の線維化に関係する因子であると考えられた。また、創傷治癒に関係するFフィブロネクチンの発現はTNCKOマウスにおいて少なかった。筋線維芽細胞は線維化の原因となるコラーゲンを産生しているが、TNCKOマウスにおいて筋線維芽細胞の発現はWTマウスと比べて少なかった。以上のことから、TNCは筋線維芽細胞の発現をコントロールし線維性癒着に関係する因子であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TNCKOマウスがWTよりも繊維化が遅れている原因を検索しているが、筋線維芽細胞の発現に差が出ていることが、免疫組織化学染色とウエスタンブロチィングで確認できている。また、これらの研究成果は論文にまとめ、European Journal of Histochemistry に投稿中である。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
顎関節への繊維化にはさまざまな因子が関係していると考えられるが、テネイシンCノックアウトマウスと野生型マウスにおいて違いのある因子を検索していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験が、やや順調に進行したため、実験試薬の購入を抑えることができた。 平成26年度もさらに繊維化の因子を検索していくために、物品として実験試薬を購入していく予定である。
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Research Products
(1 results)