2013 Fiscal Year Research-status Report
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24592999
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
藤田 茂之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50228996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東條 格 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70405439)
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Keywords | 顎関節 / 性ホルモン |
Research Abstract |
顎関節症は、滑膜に炎症が起こりさらに重症化すると、関節円板の転移・変形・変性・穿孔と関節円板に続く円板後部結合組織や滑膜の変性・線維化・癒着が認められているが、その病態の詳細な解明は未だなされていない。 一方、顎関節症の発生頻度の性差については、女性が男性の2倍から9倍と様々な報告があるが、いずれの報告においても女性患者が有意に多いとされている。その中で、性ホルモンとの関係が示唆されており、エストロゲンと顎関節の炎症については多く研究されている。しかし、性ホルモンの一つであるDHEA(dehydroepiandrosterone)やテストステロンの顎関節における効果を検討しているものは、数少ない。 今回我々は、滑膜組織の炎症後の肥厚、癒着について着目し、培養したヒトの滑膜線維芽細胞に、DHEAを10μM、IL-βを1μM添加し、lumican、fibromodurin等の The small leucine-rich proteoglycans (SLRPs)について、リアルタイムPCR、蛍光免疫染色にて、発現量の検討した。結果、DHEAは、fibromodulinの発現量を上昇させる可能性が示唆された。 このことにより、lumican、fibromodulinの合成経路に違いがある可能性が示唆され、さらには、SLRPの顎関節部での働き、炎症が顎関節の滑膜組織に与える影響を解明する足がかりになる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
顎関節滑膜細胞の培養は、問題なく進行できている。また、性ホルモンの検討について、リアルタイムPCRにてmRNAの検討をしているが、性ホルモン添加群とコントロール群では、差が出ており、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト顎関節滑膜及び、円板細胞を培養し、テストステロン、DHEA、エストロゲンの濃度を変え、さらにIL-1βの添加を行い、TNFα、αSMA、TGFβ、RANKL、OPG、Lumican、fibromodulin等を発現量を解析し、顎関節滑膜、及び円板組織で、炎症後どういった病態にあるのかを多角的に解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験を遂行するための必要物品を購入した結果、上記の差が生じた。 当該年度に行った実験も引き続き、次年度中もデータ解析が必要であり、そのための物品、消耗品の購入を行う予定としている。
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