2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロPIXE法の組織微量元素偏在分析による口腔扁平苔癬病因解明のための研究
Project/Area Number |
24593002
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
杉山 芳樹 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00162909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世良 耕一郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00230855)
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Keywords | 歯学 / 臨床 / 加速器 / 分析化学 |
Research Abstract |
口腔扁平苔癬の原因の一つに金属アレルギ-があげられる。金属元素が抗原となるためにはハプテンとして体内タンパク質と結合する過程が必須で、口腔扁平苔癬患者の口腔粘膜には何らかの形で原因金属元素が存在することが予想される。 そこで本研究の平成25年度の研究計画に従い、口腔扁平苔癬患者13名から口腔粘膜組織、唾液、血清を収集した。昨年までの口腔扁平苔癬患者(OLP群)を加え合計72名について、検体を硝酸灰化法にて液化処理してPIXE法にて各組織の元素分析を行い比較検討した。 この口腔扁平苔癬患者72例と健常者100例の口腔粘膜、唾液、血清の微量元素の検出率、含有量について比較を行った。 その結果、検出率はOLP群の粘膜では必須元素では銅、ニッケル、ルビジウムの含有量が健常者群より優位に低く、汚染元素ではアルミニウム、チタン、ガリウム、イットリウムが健常者群より優位に高かった。また、パラジウム、ジルコニウムは有意差はないが健常者群粘膜の2倍以上の含有量を示した。また、口腔粘膜、唾液、血清の微量元素について、含有量で有意差を認め検出率50%以上のアルミニウム、ニッケル、チタンの三元素を検討検討した。その結果、アルミニウムは健常群の含有量が粘膜>血液>唾液であったが、OLP群では粘膜>唾液>血液であった。ニッケルでは両群ともに粘膜>血液>唾液であり、チタンは粘膜>唾液>血液であった。 現在の所、口腔粘膜には多種の非必須元素が高濃度に含まれる。また、唾液に非必須元素は含まれる率が高く、一方、含有量は血清の方が高い傾向にあり、元素によりこの傾向は異なっていた。今後さらなる検体数の増加が必要と思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体数は予定よりも少ないものの、本年度には東京医科歯科大学先端材料評価学分野との微量元素の組織学的偏在についてマイクロPIXEを用いた共同研究を行うことができた。今後もこの共同研究を推進する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に検体数をOLP群、健常群ともに増やすことである。特に粘膜、血清、唾液を同一個体から採取することで、微量元素のより精度の高い体内動態を把握することができると思う。第二に、検出頻度が高い微量元素で、特に非必須元素についてはマイクロPIXEを用いることで、粘膜組織上での局在性を把握することができる。これらを総合的にみて、未だ原因の不明は口腔扁平苔癬、口腔扁平苔癬様病変の原因究明に繋がると思われる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計測検体数が、今年度は例年よりも少なかったため消耗品購入額が少なくなったためと思われる。 次年度は、消耗品は従前通りの使用を行う予定である。また、マイクロPIXEの使用に力を入れたいと思う。マイクロPIXEは他施設利用のために、国内旅費が予定よりも増える見込みである。
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[Presentation] 口蓋に発生した筋上皮腫の2例2013
Author(s)
岩崎賢介, 大橋祐生, 角田耕一, 野宮孝之, 飯島 伸, 星 秀樹, 杉山芳樹, 佐藤泰生
Organizer
第67回日本口腔科学会学術集会
Place of Presentation
宇都宮市
Year and Date
20130522-20130524