2012 Fiscal Year Research-status Report
PTEN臓器特異的ノックアウトシェーグレン症候群モデルによる新規抗原候補の探索
Project/Area Number |
24593006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
栗原 清佳(高岡清佳) 昭和大学, 歯学部, 助教 (00453639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 誠二 昭和大学, 歯学部, 准教授 (10432634)
椋代 義樹 昭和大学, 歯学部, 助教 (50325099)
新谷 悟 昭和大学, 歯学部, 教授 (80294429)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / PTEN |
Research Abstract |
自己免疫疾患であるシェーグレン症候群は唾液腺が破壊される自己免疫疾患で、口腔乾燥症の原因となり、摂食に著しく支障をきたす疾患であるが、この疾患に対する治療法は対症療法しかなく、疾患特異的な治療法は他の自己免疫疾患同様に確立されていない。phosphatase and tensin homolog (PTEN)は前立腺癌をはじめ数多くの悪性腫瘍において遺伝子変異が認められる癌抑制遺伝子である。甲状腺や乳腺などに高頻度に良性ないし悪性腫瘍を発症するCowden病の原因遺伝子はPTENであり、この疾病の患者にはシェーグレン症候群が併発することが知られている。そこで申請者らはシェーグレン症候群にPTEN遺伝子が関与しているのではないかと考え、PTENの臓器特異的ノックアウトマウスがシェーグレン症候群モデルマウスである可能性を検討した。シェーグレン症候群の病因としてはウイルス感染やT-cell,B-cellの活性化による唾液腺の破壊が報告されている。また、その発症率が女性に圧倒的に多いことやシェーグレン患者の唾液中において男性ホルモンAndorogenの発現低下の報告があり、シェーグレン症候群の発症に性ホルモンの関与が示唆されている。乳癌細胞における解析ではAndorogen receptorがPTENと結合することによりPTENの転写活性を増大させるとの報告があり、乳癌と同じく女性に多い疾患であるシェーグレンでも同様にAndorogenの発現動態がPTEN発現の制御に関わっているのではないかと考えられる。本研究では、シェーグレン症候群の発症におけるPTENとの関連性を検討するとともに、AndorogenとPTENとの関連について解析を行い、さらに網羅的蛋白解析により新規抗原候補の探索を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PTEN欠損マウスは近畿大学医学部田中基幹博士から供与を受けており、TEN欠損マウスの唾液腺を週令ごとに病理組織学的検索を行い唾液腺炎発症の時期やシェーグレン様病変の存在を確認するとともに、その発症時期におけるAndrogen, Androgen Reseptorの発現を免疫組織化学的検索により検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
PTEN臓器特異的ノックアウトによるシェーグレン症候群マウスモデルを用い、シェーグレン症候群におけるAndorogenとPTENとの関連について、組織抽出した検体よりイムノブロット法により蛋白発現量に関しても検討する。PTENの欠損マウスの唾液腺を週令ごとに病理組織学的検索を行いシェーグレン様病変の発症時期における唾液腺組織を採取し、マイクロアレイによるmRNAレベルの解析を行うと主にSELD TOF/MSを用いてタンパク質の網羅的解析を行う。PTENをノックダウンした培養ヒト唾液腺導管細胞における遺伝子発現をマイクロアレイ法により網羅的に解析し、発現が変化する遺伝子群を検索する。また、同時にSELD TOF/MSにてタンパク質に関しても網羅的に解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PTEN欠損シェーグレン症候群モデルマウスにおける新規抗原候補の検索としてPTENの欠損マウスの唾液腺を週令ごとに病理組織学的検索を行い唾液腺炎発症の時期やシェーグレン様病変の存在を確認するとともに、その発症時期における唾液腺組織を採取し、マイクロアレイによるmRNAレベルの、SELD TOF/MSによるタンパクレベルの網羅的解析を行う。同定された場合には、さらにその発現を定量的PCR、イムノブロットならびにin situ ハイブリダイゼーション、免疫組織化学的に解析する。
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Research Products
(3 results)