2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24593008
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
柴原 孝彦 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (50178919)
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Keywords | 個別検診 / 口腔がん検診 / ナビシステム / 口腔がん / 口腔粘膜疾患 |
Research Abstract |
口腔がんにおいて死亡率の減少と機能障害の軽減のために他の臓器同様に早期発見・早期治療が必要と考え、地域住民に対する口腔がんおよび口腔粘膜疾患の認知度を高める啓発活動の一環として対策型(集団)検診を千葉県中心に行ってきた。しかし、一度の対策型(集団)検診では、多くても受診者が200名程度であり検診事業としては十分とはいえなかった。そこで、診療所での任意型(個別)検診を行う事が、早期口腔がんの発見につながり、口腔がんによる死亡率を減少させる一助となることが考えこのシステムを考案した。 口腔は他の臓器と異なり直視直達が可能であることが大きな特徴の一つである。これは歯科治療を受ける機会自体が口腔がんのスクリーニングになり得ることを意味する。そこで、各診療所での診療時に口腔粘膜および舌や頬粘膜へも目を向けてもらい、何らかの病変があった際には「口腔がん検診ナビシステム」を活用してもらうことにより受診者を精査検討し高次医療機関への紹介をサポートするものである。日本国民のがん予防と健康維持・増進のため口腔がん検診事業をさらに推進していきたいと考えている。 この、口腔がん検診ナビシステムは、一般開業歯科医院から個別検診において寄せられた質問に対し東京歯科大学口腔外科講座(口腔外科学会認定専門医)がコントロールセンターとして回答するもので、精査の必要性や高次医療機関への紹介をサポートする役割のほか、チェアサイドで専門医の意見が聞ける点が特徴である(https://www.oral-cancer-navi.jp)。基幹病院まで距離があり本当に受診させるべきか否か迷うような症例の相談に特に有用性があると考えられる。今後、口腔がん対策の新たな手法としてこのシステムを全国に普及を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(理由) 平成25年度中におおむねナビシステムソフトの開発は終了し、某歯科医師会会員(東京歯科大学倫理委員会の規程に基づいた文書に同意を得た会員)220人以上の 協力を得て、上記期間内に、来院された口腔粘膜に病変部位を認めた患者の中で、本研究に同意いただけた患者を対象に、当ナビシス テム運用を行うに至った。 また平成26年1月23日(木)・24日(金)に札幌コンベンションセンターにて開催された第32回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会において「口腔がん検診ナビシステム」と題した示説発表を行い、優秀ポスター賞も受賞した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度中におおむねナビシステムソフトの開発は終了した。現在は実際に、某歯科医師会会員(東京歯科大学倫理委員会の規程に基づいた文書に同意を得た会員)220人以上の 協力歯科医師の登録を得、来院された口腔粘膜に病変部位を認めた患者の中で、本研究に同意いただけた患者を対象に、当ナビシステムを運用することが出来ている。次年度は、登録歯科医師の数をさらに増やし、症例を一例でも多く診察し、初期の口腔がんを発見することを目指すと共に、この口腔がんナビシステムについての論文をまとめる。
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