2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24593023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋元 亘 東北大学, 大学病院, 助教 (30323033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 康悦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30323603)
谷口 貴洋 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (40444012)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 新規癌マーカー / 口腔癌、前癌病変 / ヒト型モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究目的のSpecific Aim1.の口腔癌細胞、上皮異型性細胞における新規癌マーカー候補分子の発現解析を中心に研究を行った。昨年度までに、ヒト由来口腔癌細胞株である、HSC-2, HSC-3, HSC-4におけるNKG2Dリガンド,Survivin, EGFRの発現について、フローサイトメーターで解析し、NKG2Dリガンド,Survivin, EGFR分子が高発現していることが示されていたが、本年度はさらに、それぞれの分子の遺伝子レベルでの発現をPCRを用いて再度確認した。そして、NKG2Dリガンド,Survivin, EGFR分子の発現を抗体でブロックすることを試みてきた。残念ながら、いまだ抗体でのブロックに成功しておらず、現在抗体の種類や方法を再検討しているところである。 次に、過去の病理組織標本を用いて、扁平上皮癌・上皮異型性・正常細胞それぞれについて、NKG2Dリガンド,Survivinの発現について検討した。それぞれ、20症例ずつ染色を行い、まだ途中の段階ではあるがNKG2Dリガンド,Survivinともに、扁平上皮癌では発現増強が認められた。現在さらに、上皮異型性での発現増強の有無を確認中である。 Specific Aim3.のヒト型モデルを用いた研究については研究遂行が遅れており、まだ予備実験を行っている途中である。今後、モデルマウス作成に着手するところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究が遅れている理由としては、ヒト由来口腔癌細胞株であるHSC-2, HSC-3, HSC-4におけるNKG2Dリガンド,Survivin, EGFRの発現については確認されたものの、それらの発現をブロックする方法が成功していないことが考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
NKG2Dリガンド,Survivin, EGFRの発現をブロックする抗体を変更したり、ブロックする方法を抗体以外で行うことなどを検討している。
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Causes of Carryover |
患者から採取した口腔癌細胞や上皮異型性細胞の腫瘍マーカー発現解析の結果から、当初はキラー細胞の受容体であるNKG2Dのみを免疫細胞において解析する予定であったが、免疫細胞におけるPD-1分子の重要性および抗PD-1抗体の抗腫瘍効果向上の報告があり、計画を変更して口腔癌細胞に浸潤している免疫細胞について、PD-1の発現解析も行うこととしたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
口腔癌細胞に浸潤している免疫細胞、特に抗腫瘍細胞であるT細胞、NK細胞上のPD-1の発現、NKG2Dの発現解析を並行して行うこととし、効果的な免疫療法の開発基盤の確立を目標に、次年度使用額はその経費に充てることにしたい。また、追加研究の後に行う研究成果の発表にも充当したい。
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