2013 Fiscal Year Research-status Report
分子標的治療薬mTOR阻害剤と放射線を併用した新たな口腔癌治療開発の基礎的研究
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24593025
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
飛田 尚慶 長崎大学, 大学病院, 講師 (00336174)
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Keywords | mTOR / 口腔癌細胞 / 増殖抑制 |
Research Abstract |
【研究目的】 3種類の扁平上皮癌株:①Hela細胞株, ②肺転移由来株RCB0444, ③シスプラチン耐性株RCB1152を培養し、70%コンフルエントに増殖した時点でmTOR阻害剤のRAD001, Torin 1を培地内に添加し、両薬剤の癌細胞に対する抗腫瘍効果を比較・検討することである。 【実験結果】 #1 各阻害剤の50%細胞抑制濃度(50IC)測定: 昨年度でHela細胞に対する2剤の50%細胞抑制濃度(50IC)のRAD001とTorin1を測定したが、同様の手法にて肺転移由来細胞のRCB0444とシスプラチン耐性株のRCB1152双方の50IC濃度を測定した。結果は肺転移由来細胞株RCB0444でRAD001が30nM、Torin1で2μMであった。一方シスプラチン耐性株RCB1152ではRAD001が90nMであったのに対し、Torin1では500nMと増殖抑制効果を示した。 #2 PI3K/Aktキナーゼ活性に対する2剤の抑制効果の検討: 3種類の癌細胞株を70%コンフルエントまで増殖させた後、50ICの濃度に調整したRAD001とTorin 1を培地に添加し、RAD001とTorin1のPI3K/Aktキナーゼ活性抑制効果を調べた。結果はシスプラチン耐性株でTorin1のキナーゼ活性抑制効果がRAD001の2倍認められた。他の2株はRAD001, Torin1双方でキナーゼ活性抑制効果を認め、両者に統計的有意差は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は診療の仕事が多くなり、実験に当たる時間が十分に取る事が出来なかった。また医局長となったので、他の事務作業が多くなった事も要因として考えられた。また、実験環境が未だ整っておらず、環境整備も不十分な状態での研究活動となってしまったのも問題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も遅れている計画を着実に進め、出来るだけ次年度の研究計画に到達するように努力する。ただし次年度も診療に追われる可能性が大きいので、時間を効率的に利用するため研究補助員を短期で雇用して、コアとなる重要な実験を行ってもらう。また研究計画を再考察し、必要な研究と後の課題として残しても良さそうな実験計画を明確にして更に効率的な研究を行えるように計画を見直す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品学の把握が十分出来ていなかったため、小額ながら余剰金が出てしまった。 次年度の物品費に全て回し、余剰金が発生しないような利用計画を立てる。
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