2014 Fiscal Year Annual Research Report
BCGと抗癌剤併用療法による抗腫瘍転移効果についての分子イメージング解析研究
Project/Area Number |
24593030
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柳 文修 岡山大学, 大学病院, 講師 (50284071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628) [Withdrawn]
畦坪 輝寿 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30633606)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | BCG / 口腔癌 / 免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、BCG菌株と抗癌剤 の併用投与を行った担癌モデルマウスのPET撮像により、腫瘍転移状況を全身検索した。その後、血液採取、腫瘍と腫瘍転移臓器等を摘出し、組織学的解析を行うことで、BCG生菌と抗癌剤併用療法による全身的な病態変化を検討した。まず、C3H:HeNマ ウスの背部皮下に同マウス由来頬部扁平上皮癌sq-1979株腫瘍を播種し、口腔癌担癌マウスモデルを作製した。一定の大きさに達した腫瘍を摘出後、投薬を開始した。各投薬群に分類は①非投薬群、②5-FU単独投与群、③5-FU/BCG併用投与群、④BCG単独投与群とした。 平成25年度の研究結果では遠隔転移の頻度が低く、肺への転移は数例にとどまった。これは摘出臓器を対象とした免疫組織学的検討結果であり、不確実性を内包している可能性があったため、本学所有の小動物用PET装置による画像診断を追加検討する事となった(島津製作所製Clairvivo PET、解析ソフトはPET TECHNOLOGY SUPPLIES.INC)。その結果、遠隔臓器への転移はどの群においても低頻度で、平成25年度の免疫組織学的手法で得られた結果を裏付けることとなった。 また、 PETプローブに18F-FDGを用いることで、腫瘍の糖代謝能力を基にした腫瘍の悪性度を生体内で確認することが可能となった。各投薬群において背部に局所再発したマウスについて、再発腫瘍部への18F-FDGの集積を比較検討した結果、18F-FDGの集積(%ID/g組 織重量)は投薬群①において5.28、投与群②において1.85、投与群③において3.28、投与群④において2.07となった。投薬群はいずれも集積の低下を示しており、投薬群においては再発腫瘍の糖代謝の低下、ひいては悪性度の低下を示唆する結果となった。
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