2014 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌細胞自身が発現するVEGF受容体シグナルを標的とした新しい治療法の開発研究
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24593033
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小泉 浩一 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 助教 (30335682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 幸男 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 助教 (20335665)
林堂 安貴 広島大学, 大学病院, 講師 (70243251)
岡本 哲治 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 教授 (00169153)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | VEGF / 口腔癌 / 分子標的治療薬 / オートクライン機構 / PI3-Akt系 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮増殖因子(VEGF)は腫瘍細胞によって産生され、パラクライン機構を介して、腫瘍細胞での血管新生を誘導し、腫瘍の増殖や浸潤・転移を制御していることが知られている。その一方で、我々は腫瘍細胞自身がVEGF受容体を発現していることを明らかにしており、細胞自身が産生するVEGFsがオートクライン機構を介して癌細胞の浸潤・転移に関与しているものと考え、その機構の解析を行うとともに新しい分子標的治療薬の開発を目指す。 (1)口腔扁平上皮癌細胞、唾液腺癌細胞および悪性黒色腫細胞でVEGF受容体の発現を確認した。VEGFが口腔癌細胞に与える影響について検討した結果、いずれの細胞でも増殖能には影響を与えなかった。その一方で、運動能については亢進することが確認され、特に悪性黒色腫細胞では5ng/ml VEGF存在下で約3倍の亢進が見られた。さらにその運動能はVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤やVEGF受容体の中和抗体による前処理により抑制されたが、VEGFR2チロシンキナーゼ阻害剤では差違を認めなかった。(2)siRNAを用いてVEGFR1およびVEGFR2の発現を抑制したところ、AS-VEGFR1はVEGFsに関係なく運動能が低下したが、AS-VEGFR2はコントロールと同様の結果となった。また、増殖能についてはAS-VEGFR1では抑制されたが、AS-VEGFR2では影響を受けなかった。(3)VEGF添加による細胞内シグナル伝達系を検討した結果、ERKのリン酸化はないものの、Aktのリン酸化が確認された。さらにPI3-Akt系のシグナル伝達を抑制することで濃度依存的に運動能の低下が認められた。
以上より、VEGF添加による口腔癌細胞の増殖能や運動能はVEGFR1-PI3-Akt系を介してオートクライン機構により制御されている可能性が考えられた。現在in vivoで口腔癌に対する分子標的治療の開発研究を行っている。また臨床的にもVEGF受容体の発現と予後との相関性について手術標本を用いて検討を行っている。
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