2012 Fiscal Year Research-status Report
進行・再発・切除不能口腔癌に対する新規機能温存療法の開発
Project/Area Number |
24593034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
原田 耕志 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60253217)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人工癌幹細胞 / 動注化学放射線療法 / IGRT |
Research Abstract |
OCT3/4、SOX2、KLF4、L-MYC、LIN28、p53-shRNA発現用エピソーマルベクター(pCXLE-hOCT3/4-shp53-F、pCXLE-hSK、pCXLE-hUL)を電気穿孔法を用いてそれぞれ単独あるいは組み合わせて口腔癌細胞HSC2へ遺伝子導入することにより8種類のトランスフェクタントを得た。HSC2のparental cellをコントロールとして比較検討に用いた。なお3種類全てをHSC2細胞へ導入する際には、1650Vだけでなく1550Vでも電気穿孔法を行った。このため下記の10種類のトランスフェクタントを実験に用いた。 HSC2 parental、HSC2/EGFP (1650V)、HSC2/hOCT3/4-shp53-F (1650V)、HSC2/hSK (1650V)、 HSC2/hUL (1650V)、HSC2/hOCT3/4-shp53-F+hSK (1650V)、HSC2/hOCT3/4-shp53-F+hUL (1650V)、HSC2/hSK+hUL (1650V)、HSC2/hOCT3/4-shp53-F+hSK+hUL (1650V)、 HSC2/hOCT3/4-shp53-F+hSK+hUL (1550V) HSC2/hOCT3/4-shp53-F+hSK+hULが、抗癌剤、放射線、分子標的薬に対して著明な抵抗性を示すとともに、免疫不全マウスにおいて高い造腫瘍性を示した。また、今回検索した抗癌剤、放射線、分子標的薬の中では、各トランスフェクタントに対して最も抵抗性が少なかったのはCetuximabであり、次に放射線であった。以上の結果から、HSC2/hOCT3/4-shp53-F+hSK+hULが口腔癌幹細胞に類似している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画が人工癌幹細胞の樹立、癌幹細胞を標的とした新規化学療法のレジメンの開発、人工癌幹細胞を用いたマウス頸部リンパ節転移モデルの作製である。現在までに、口腔癌幹細胞に類似したHSC2/hOCT3/4-shp53-F+hSK+hULの樹立に成功し、これが抗癌剤、放射線、分子標的薬に対して著明な抵抗性を示すとともに、免疫不全マウスにおいて高い造腫瘍性を示していること、さらに抗癌剤、放射線、分子標的薬に対して抵抗性を示すものの検索した範囲内ではCetuximab、次いで放射線に対して抵抗性が少ないこと、免疫不全マウスにおいて高い造腫瘍性を示したことから、頸部リンパ節転移を来す可能性が期待できることから、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. HSC2/hOCT3/4-shp53-F+hSK+hULは、口腔癌幹細胞に近づくことができたと考えているが、100個以下の細胞移植にてヌードマウス背部皮下腫瘍を形成できるようなiCSCの樹立を目指している。そのため、癌幹細胞と非癌幹細胞間で特異的な発現変動を示す遺伝子を同定し、HSC2/hOCT3/4-shp53-F+hSK+hULへ遺伝子導入することで、さらに有用なiCSCの樹立を試みる。 2. MTT assayを用いることでiCSCに対する薬剤スクリーニングが可能であったため、入手可能な範囲内で新規分子標的薬を含めた多くの薬剤に対する感受性、抵抗性の検索を進めて行き、それらを併用することでより効果的なレジメンの開発を試みる。In vitroにて大きな効果が得られた後は、ヌードマウス背部皮下iCSC腫瘍に対して有効性を検討し、臨床応用の可能性を模索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人工癌幹細胞の培養のために細胞培養材料が必要であり、癌幹細胞と非癌幹細胞間で特異的な発現変動を示す遺伝子を同定するためにDNAチップが必要である。また薬剤スクリーニングを行うため、各種抗癌剤、分子標的薬剤の購入が必要であり、さらに動物実験を行うため実験動物の購入と飼育料が必要である。なお成果発表のため旅費が必要である。
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