2012 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNAの制御を介した新たな口腔癌治療法の開発
Project/Area Number |
24593038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (20243842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 口腔がん / 化学療法 / 癌幹細胞 / 上皮間葉転換 |
Research Abstract |
癌幹細胞と関係するとの報告があるCK19について38例の口腔扁平上皮癌患者標本を用いてIHCを行い、種々の臨床的、病理学的因子、miR29bの発現とEMTとの関連について検討した。その結果、CK19は癌の悪性度にはある程度の関係を認めたが、miR29bとの関係は乏しく、EMTとの関係は認められなかった。 口腔癌に関連するmiRNAとしてmiR29bに着目し、そのtarget遺伝子の検索を行なった。まず、qRT-PCRによりmiR29b のレベルが高いと確認された5例と低い確認された5例の計10例を用い、EpCAMおよびClaudin1についてIHCを行い、これらの発現強度を検討した。その結果、Claudin1は、miR29bによるEMT効果をもたらすtarget遺伝子としては否定的であった。次いで、ヒト扁平上皮癌細胞株HSC2、HSC3、HSC4およびKON を用い、miR29bのtarget因子とされているBMP1についてmiR29bの発現との関係について検討した。これらの細胞にmiR29b negative、inhibitor、precursor処理を行い、qRT-PCRにてmiRNA発現レベルを検討したところ、miR29bとBMP1との間に明らかな関連は認められなかった。同様に、miR29bのtarget因子とされているTGF-βについてもmiR29bの発現との関係を検討したが、miR29bとTGF-βとの間に明らかな関連は認められなかった。しかし、TGF-β誘導EMTにおけるEpCAMおよびClaudin1の発現低下がmiR29b inhibitor処理により抑制されたことから、miR29bはEMT関連タンパクの発現調節を直接行うのではなく、EMT関連タンパク間の相互作用を促進する因子に関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔癌との関連についての情報がある程度得られ、治療の標的となりうるmiRNAとしてmiR29bに着目した研究をすすめており、一定の成果は得られていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はmiR29bのtarget遺伝子の検索を行なってきた。一定の成果は上がっているが染色条件やprimerの設計などさらに検討を進める必要がある。 癌幹細胞と関係するとの報告があるOct3/4、CD133、EpCAM についてもIHCを進めて行く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養や標本の作成、IHCやqRT-PCRに必要な試薬や消耗品、解析に必要な機材やソフトの購入が必要。
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Research Products
(12 results)