2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNAの制御を介した新たな口腔癌治療法の開発
Project/Area Number |
24593038
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (20243842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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Keywords | マイクロRNA / 口腔がん / 化学療法 / 癌幹細胞 / リノール酸 / エライジン酸 |
Research Abstract |
リノール酸(LA)やエライジン酸(EA)のような脂肪酸は食品中に含まれ、癌幹細胞に対し促進性の影響を与える。これら脂肪酸によるマイクロRNA発現の変化を検討し癌幹細胞への影響を検討した。CT26大腸癌細胞をリノール酸(LA)またはエライジン酸(EA)で処理しマイクロRNAアレイにより検討し、両脂肪酸で発現亢進を示したもののうちmiR-494について検討を行った。両脂肪酸により増加が見られたmiR-494について、口腔扁平上皮癌細胞株HSC3への影響を検討した。HSC3をmiR-494 mimicまたは inhibitorを処理し、sphere assayにより幹細胞性を検討したところsphere densityはLA, EAにより増加したが、 mimic処理により強い増加が認められた。一方、inhibitor処理によりsphere densityは低下し、LA, EAによるdensityの増加も抑制された。Sphere assayによる癌幹細胞マーカーの発現を検討すると、CD44はLAとmimicで増加し、nucleostemin(NS)はEAとmimicで増加した。一方、inhibitor処理により、両脂肪酸でCD44・NSの発現は消失した。さらに、miR-494標的遺伝子候補で癌幹細胞分化に関係するPPARγ coactivator 1A、PTEN、activin A receptor 1C、FGFR2についてmRNA発現を検討するとFGFR2以外では、EA, LA, mimicでは発現低下が、inhibitorでは発現亢進が認められた。このように、miR-494は脂肪酸により発現が促進され、分化促進因子を抑制し癌幹細胞性の維持に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔がん細胞の癌幹細胞性の維持に関与するmiRNAと、脂肪酸によるその発現への影響について一定の成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画には特に変更はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品の購入が予想より少ない費用でまかなえた。 研究計画自体には大きな変更はなく、細胞培養や標本の作成に必要な試薬や消耗品、解析に必要な機材やソフトの購入費にあてる。
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Research Products
(7 results)