2014 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAの制御を介した新たな口腔癌治療法の開発
Project/Area Number |
24593038
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (20243842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 口腔癌 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、酸化ストレス耐性に関与するmicroRNAを抽出するため、HSC3ヒト口腔扁平上皮癌細胞株を酸化ストレス・ドナーであるgloxal処理し、microRNAの発現変化をmicroRNAアレイで検討した。発現が増加していたmicroRNAの中でも抗アポトーシス効果が知られ口腔扁平上皮癌との関連が報告されているmiR-21について検討を行った。 miR-21はgloxal処理により約2.4倍に発現が亢進しており、ビタミンEによりROSを減少させると発現はコントロールレベルに低下した。miR-21の標的遺伝子としてin silicoで同定されるものの中から、幹細胞関連遺伝子としてNotch, CD44, Krüppel-like factor-1 (KLF1) , Thrombomodulin (THBD)、アポトーシス抑制系の遺伝子としてprogrammed cell death 4 (PDCD4)、増殖系の遺伝子としてRAS p21 GTPase activating protein 1 (RASA1) の各遺伝子の発現の検討を、無処理、gloxal処理、および、gloxal処理+miR-21 inhibitor処理の各群に対してRT-PCRにより行った。 gloxal処理により、Notch, THBDは低下し、CD44 , RASA1, KLF1, PDCD4の発現はいずれも増加した。また、gloxal処理による変化は、miR-21 inhibitor処理の同時処理により消失した。 CD44は最近抗酸化ストレス作用が注目されており、miR-21 の作用は口腔扁平上皮癌細胞における酸化ストレス耐性の促進とアポトーシス抑制と考えられ、幹細胞への有意な作用は明らかではなかった。酸化ストレス耐性促進とアポトーシス抑制は抗癌剤耐性にも関連すると考えられ、miR-21は口腔扁平上皮癌の分子標的として有用と考えられた。
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Research Products
(6 results)