2012 Fiscal Year Research-status Report
経口投与用ミダゾラム封入ステルス型ナノ薬物キャリアの開発
Project/Area Number |
24593055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮脇 卓也 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00219825)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯学 / 薬理学 |
Research Abstract |
平成24年度は、本申請者が以前に開発したミダゾラム封入リポソームをポリエチレングリコール(PEG)で外包し、ナノ化すること、さらに封入率および安定性を確認することが目的であった。脂質、コレステロール、ミダゾラム、ポリエチレングリコールをナス型フラスコに加え、ロータリーエバポレーターを用いて薄膜を形成し、ボルテクスィング法によってPEG外包ミダゾラム封入リポソームを作製した。作製されたリポソームを動的光散乱式粒度分布計を用いて粒径の分布を調べたところ、リポソーム粒径は0.5-3μm (500~3000nm)であった。それを超音波ホモジナイザーを用いて、超音波振動処理を施すことにより、ナノ化を行った。超音波振動処理の強さ、時間、温度などの条件を変えることによって、25%のリポソームが目標の100nm以下の粒径レベルに達し、50%のリポソームが200nm以下の粒径レベル、90%のリポソームが500nm以下の粒径レベルにまでナノ化することができた。 超音波振動処理したミダゾラム封入ナノリポソームを抽出するために、専用カラムを用いてゲルろ過を行い、ろ過された試料を順次収集して、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でミダゾラム濃度を測定した。その結果、ミダゾラム封入ナノリポソームに封入されたミダゾラムの封入率は、目標の25%以上確保することができた。また、抽出したミダゾラム封入ナノリポソームの安定性試験を行った結果、ミダゾラムの封入率が目標の1週間以上安定していることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の目標は、リポソーム粒径を100nm径以下のレベルまでのナノ化すること、封入率を25%以上にすること、また、ミダゾラムの封入率が少なくとも1週間以上安定していることを確認することであった。リポソーム粒径については、すべてのリポソームの粒径を100nm径以下のレベルまでのナノ化することはできなかったが、超音波振動処理をする前の段階が、当初の想定よりも大きく、0.5~3μm(500~3000nm)であり、結果的に25%のリポソームが目標の100nm以下、50%のリポソームが200nm以下、90%のリポソームが500nm以下の粒径レベルであったことことから、十分な成果が得られたと考える。さらに、 封入率と安定性については目標を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に作製したPEG外包ミダゾラム封入ナノリポソーム溶液(ミダゾラム量:0.2mg/kg)を動物(ウサギ)に経口投与し、血中薬物動態および薬理効果を評価する。さらに、PEGを外包していないミダゾラム封入リポソーム溶液、およびミダゾラム原液を経口投与した際の血中薬物動態および薬理効果と比較することによって、PEG外包およびナノ化の効果を比較検討する。方法については、以前にわれわれが「経口投与用リポソーム製剤」を開発した際に確立した方法を用いる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費に、平成24年度に繰り越した1,270円を加え、当初の計画どおり研究を遂行する。
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