2014 Fiscal Year Annual Research Report
経口投与用ミダゾラム封入ステルス型ナノ薬物キャリアの開発
Project/Area Number |
24593055
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮脇 卓也 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00219825)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯学 / 薬理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度にポリエチレングリコール(PEG)外包ミダゾラム封入ナノリポソームの作製方法を確立し、封入率と安定性を確認した上で、平成25年度には作製したPEG外包ミダゾラム封入ナノリポソームを動物(ウサギ)を用いたin vivo実験を行った。その結果、ミダゾラムをPEG外包・ナノ化することによって、経口投与時のバイオアベイラビリティが高くなることが確認できた。そこで平成26年度は、平成24年度に作製したPEG外包ミダゾラム封入ナノリポソームを、動物(ウサギ) に静脈内投与(ミダゾラム量として0.2mg/kg)し、投与後2、5、10、15、20、25、30、45、60、90、180分後の血中ミダゾラム濃度を測定し、対照薬として投与したミダゾラム溶液(ミダゾラム量として0.2mg/kg)投与後の血中ミダゾラム濃度の推移と比較した。その結果、投与2分後では、対照薬投与後の血中ミダゾラム濃度と比較して、PEG外包ミダゾラム封入ナノリポソーム投与後の血中ミダゾラム濃度はやや高値を示したが、投与5分後以降の血中ミダゾラム濃度に有意な差は認められなかった。これらの結果から、ミダゾラムをPEG外包・ナノ化することによって、肝織での代謝を回避するステルス効果が付与されていたとしても有意なものではないことが示唆された。よって、経口投与によってPEG外包ミダゾラム封入ナノリポソームのバイオアベイラビリティが高くなるのは、消化管での代謝の抑制および消化管からの吸収率がより増加するためではないかと示唆された。
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