2012 Fiscal Year Research-status Report
ドパミン受容体サブタイプの選択的リガンドを応用した新しい全身麻酔法の開発
Project/Area Number |
24593056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小川 慶隆(清水慶隆) 広島大学, 医歯薬保険学研究院(歯), 助教 (10294597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入舩 正浩 広島大学, 医歯薬保険学研究院, 教授 (10176521)
森田 克也 広島大学, 医歯薬保険学研究院, 准教授 (10116684)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換(米国) |
Research Abstract |
マイクロダイアリシス法により実験動物(ラット)末梢組織への各種侵害刺激によって、ドパミン神経経路の神経終末からドパミン遊離が増加することをin vivoで確認した。末梢組織への侵害刺激はラットの尾根部を動脈クレンメで挟むか、電気刺激に3つの周波数を用いることで、感覚神経における伝導系の特性により3つの異なる神経線維(Aβ線維、Aδ線維、C線維)を選択的に評価した。各ドパミン神経系の神経終末(線条体、側坐核、前頭前野、視床)からのドパミン遊離の増加を調べた。これによって、侵害刺激の種類による、ドパミン遊離の増加の実態を部位別に確認をした。 次に各種侵害刺激によって引き起こされるドパミン遊離促進効果がカプサイシン投与による一次知覚神経(C線維)の破壊により影響を受けるか、マイクロダイアリシス法を用いて現在検討している。実験動物はラットを用い、出生1~2日後に高用量のカプサイシンを1回皮下注射することで、ほぼ完全にC線維を破壊、角膜損傷やサブスタンスP濃度の低下で、C線維の破壊の程度を評価した後、実験を行っている。C繊維を破壊したラットにガイドカニューレ及び透析プローブを挿入し、数日後にマイクロダイアリシス実験を行っている。C線維の破壊が侵害刺激によって起こるドパミン遊離促進効果はある程度、抑制される結果となっており、侵害刺激によって生じるドパミン遊離促進は感覚神経のうちC線維を介して起きている可能性があることが、平成24年度の時点では示唆される結果となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロダイアリシス法による動物実験は、現有システムを使用しており、実験は予定どおりに進捗している。侵害刺激による、ドパミン遊離促進効果については、ドパミン遊離が促進されることは確認出来ているが、詳細な傾向は確認出来ておらず、さらなる研究の継続が必要である。C繊維破壊ラットに対する研究においても、C繊維破壊によりドパミン遊離抑制はパイロットスタディでは確認されているが、安定した傾向は得られていないため、平成25年度の研究課題であると考察する。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロダイアリシス実験によるドパミン遊離を限局し、ドパミン遊離の増加が最も大きく認められる侵害刺激を確定させた後、C繊維破壊ラットでの抑制効果を確認し、平成25年度以降の麻酔薬併用実験を行う計画とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
各種刺激による、ドパミン遊離の促進を行動薬理学的に確認することを検討しており、実験動物の運動亢進等を確認するため、センサーなどの備品購入を検討している。
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