2013 Fiscal Year Research-status Report
中枢性鎮痛作用のあるGABA誘導体の全身麻酔への応用-麻薬依存型麻酔からの脱却-
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24593058
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
怡土 信一 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00315095)
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Keywords | GABA誘導体 / 静脈麻酔薬 / 中枢神経系 / シナプス前神経終末 / 鎮痛 / 全身麻酔 / 静脈内鎮静法 |
Research Abstract |
本研究の第一のテーマである「全身麻酔および静脈内鎮静法における麻酔深度、循環動態、術中術後鎮痛に及ぼすGABA誘導体の効果」について、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会において研究実施が認められた。本臨床研究の研究協力者である九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野大学院生の加留部紀子と共に臨床試験を実施中である。同倫理審査委員会よりGABA誘導体は1剤ずつ試験を行うよう勧告されたため、まずプレガバリンに関する研究を実施している。 研究成果の第一報として、第24回九州歯科麻酔シンポジウム(北九州市)において演題発表した(演題名「前投薬としてのプレガバリンが静脈内鎮静法に及ぼす影響」)。発表内容は、3名の被験者についての結果で、下記の通りである。 一定のBIS値と鎮静スコアを得るために必要なプロポフォール血中濃度は、プレガバリンを内服することによって低下した。疼痛刺激に対する明らかなプレガバリンの効果は確認できなかった。鎮静後の副作用として、ふらつき、運動後の悪心がみられた。 また、国際学会でも発表するため、AAOMS 96th Annual Meeting, Scientific Sessions and Exhibition in Conjunction with the Japanese Society and Korean Association of Oral and Maxillofacial Surgeonsに演題応募した(演題採択済み)。さらに被験者数を増やして検討した結果を発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床試験実施計画において、GABA誘導体であるプレガバリンとガバペンチンについて同時に臨床試験を実施したい意向を九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会に提出した。しかし、GABA誘導体と静脈麻酔薬プロポフォールを併用した時の安全性が不明である、という理由で1剤ずつ研究を進めるよう勧告された。そこで、まず、プレガバリンの研究に着手した。同薬剤の臨床試験は約75%終了している。今後、ガバペンチンに関する臨床試験を新たに開始しなければならないため、研究計画に遅れが生じていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
第1番目に検証中のプレガバリンについて、プロポフォールとの相互作用を明らかにする。研究成果発表は、国際学会(AAOMS 96th Annual Meeting, Scientific Sessions and Exhibition in Conjunction with the Japanese Society and Korean Association of Oral and Maxillofacial Surgeonsに演題採択済み、その他演題提出予定)および英文雑誌を予定している。 次に検証予定のガバペンチンについて、申請書類を九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会に提出する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
臨床試験をGABA誘導体2剤に分けて施行中で、まだ1剤しか進行していないため、必要物品、薬剤、謝金などの費用が執行されていない。また、成果発表の多くは、最終年度(平成26年度)で行われる見込みであり、是にかかる費用が未執行であるため。 臨床試験にかかる費用として、ボランティア謝金、薬剤費、モニタリングなど消耗品を予定している。同試験の成果発表は、学会発表として、国内1学会、国際3学会を予定している。論文発表として、英語論文2~3報を予定しており、これにかかる費用として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)