2014 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面再建治療へ向けた上皮-間葉ハイブリッド型細胞シートの創製プロジェクト
Project/Area Number |
24593061
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
阿部 伸一 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40256300)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 口腔粘膜 / 積層シート / 筋シート / ケラチン / デスミン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、口腔、咽頭粘膜実質再生を実現するために、口腔粘膜上皮、口腔粘膜上皮下組織、筋組織から抽出された細胞を用いてそれぞれの細胞シートを作製し、それらを積層したハイブリッド型細胞シートの創製を目的としている。本申請期間において、目標とした積層シートの創製には成功し、積層シートの構造維持に必須な細胞骨格である中間径フィラメント、接着タンパクの局在について検証を行った。すなわち、マウス頰粘膜上皮から細胞を採取し作製した口腔粘膜上皮シート、頬粘膜下組織から細胞を採取し作製した結合組織細胞シート、胎生期マウスより採取した筋芽細胞を利用し作製した骨格筋細胞シートを積層後、24時間までの経過を観察し良好な結果を得た。特に積層後、それぞれの細胞シートが良好に接着すると上皮シート直下に細胞基質間の接着タンパクであるIntegrinが一層発現することをこれまで明らかにした。次に、粘膜上皮特有の細胞骨格タンパクであるケラチン4と13を、免疫組織化学的染色にて検索すると、ともに、上皮組織全体にまんべんなく観察された。さらに最終年度では、免疫組織化学的染色において、基底膜接着タンパクであるコラーゲンタイプⅣは上皮基底層、コラーゲンゲル層ならびに筋層でも発現が認められ、ラミニンは上皮基底層でのみ発現が認められた。ウェスタンブロット法にて、コラーゲンタイプⅣの継日的なタンパク量の変化を検索したところ、βアクチンに対するコラーゲンタイプⅣの量に、有意な差は見られなかった。以上のように作製した積層シートには、生体と類似した構造タンパクが発現していることが本申請期間の検証で明らかとなった。
|