2012 Fiscal Year Research-status Report
生体力学に基づいて材料と形状が最適化された矯正用オンプラントアンカーの開発
Project/Area Number |
24593083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (90187732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 啓司 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20262206)
川元 龍夫 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (50323704)
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70108223)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯科矯正用オンプラント / アパタイトコラーゲン / チタン |
Research Abstract |
本年度はアパタイト、コラーゲン、アパタイトコラーゲンなどの骨誘導物質を塗布したチタンの針金をラット頭蓋骨骨膜したに埋入し、埋入後4週間にて頭蓋骨ごと摘出し骨新生の状態を組織学的に観察した。その結果、アパタイトコラーゲンを塗布した群において著名な骨新生が認められ、アパタイトコラーゲンに強力な骨誘導能があることが分かった。次に、アパタイトコラーゲンを塗布チタンの形状について研究を展開した。最初の実験で、新生骨はチタンと骨が接する部位よりできはじめ経時的にチタンの針金を覆うように形成していくものと推定された。そこでチタンと骨が接する面を増やし、短時間で新生骨がチタンを覆うような環境を作成する事が本研究の目的に沿うものと考えられた。当初行った実験では断面が円のチタン針金を用いたが、骨に接する面を平面とした断面が半円となる針金を作成し、同様にアパタイトコラーゲンを塗布してラット頭蓋骨膜下に埋入し骨新生について組織学的に観察したところ、新生骨はチタン周囲を囲むように形成されていた。さらに新生骨により骨表面に固定されたチタンを剥がす際の力学的解析においても、断面形状が円のものより半円のものがより強固に骨に固定されていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画として短期間に新生骨を誘導する物質の探求とオンプラントの骨に接する部位の最適形状の検索を行う予定であった。本年度の研究の成果としてアパタイトコラーゲンの塗布が骨新生を迅速に誘導することと、断面形状が半円であることが、新生骨の誘導に有利に働くことが実証され、本年度の研究目的について十分に達成されたものと評価された。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はラットを用いて骨新生状況を組織学的に観察することにより、アパタイトコラーゲンをコーティングしたチタンが骨新生を迅速に誘導することが実証された。そこで今後は、より大型動物であるイヌを用い、さらに実際にオンプラントを埋入する上下顎頬側歯槽部にチタンを埋入し、骨新生の動態、固定力について組織学的観察、力学的試験を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.イヌ用オンプラントの形状に関する研究 イヌの頬側歯槽部骨膜下に埋入するオンプラントの骨接着部位のユニットの形状について最も骨新生を誘導しかつ骨への固定が最も強くなる形状を決める。 2.1で決定したオンプラントの骨背接着ユニットにアパタイトコラーゲンをコーティングし、イヌの頬側歯槽部歯肉骨膜下に埋入する。 3.埋入後4週間でオンプラントの骨接着ユニットを歯槽骨ごと摘出し、切片を作成して組織学的観察を行う。また一部試料については力学的検査を行い歯槽骨表面への固定力について解析する。
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