2013 Fiscal Year Research-status Report
生体力学に基づいて材料と形状が最適化された矯正用オンプラントアンカーの開発
Project/Area Number |
24593083
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (90187732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 啓司 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20262206)
川元 龍夫 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (50323704)
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70108223)
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Keywords | 歯科矯正用オンプラント / アパタイトコラーゲン / チタン |
Research Abstract |
平成24年度のラットを用いた研究に引き続き,平成25年度は臨床応用を想定してイヌの上顎骨にデバイスを設置する研究を行った.デバイス形状は,可能な限り小型化が必要であるが,研究の第一段階として基本的な形態である6.0 mm四方の田の字形とし,CAD/CAMで作製した.表面性状はコーティングなし,およびHAp/Colコーティングとした.デバイスを上顎骨の骨膜下に設置し,4週間後に採材して光顕観察を行った.組織学的所見では,コーティングなし群ではデバイスは線維組織で被覆され骨との接合が妨げられていた.HAp/Colコーティング群では,デバイスと母骨の間にトルイジンブルーに濃染された類骨組織が認められ,HAp/Colコーティングの有効性が示唆されたが骨接合は遅延していた. イヌの実験で骨接合が遅延した原因を解明するため,HAp/Colコーティングされたチタンロッドが骨表面と接合する過程をラットの実験系で研究した.骨膜剥離直後の骨膜を光顕観察したところ,骨膜の骨原性細胞の顕著な減少を確認した.また,ロッドを骨表面に設置した直後と術1週間後の比較から,新生骨形成は剥離されていない健全な骨膜に由来する骨原性細胞によって生じることが示された.従って,骨表面での迅速な骨接合を実現するためには,デバイスの設置部位の骨原性細胞を活性化する必要があると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨膜下デバイスの臨床応用のために解決すべき事項がイヌを用いた研究を通じて明らかとなった
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,迅速に接合する歯科矯正用骨膜下デバイスを実現するために必要な骨原性細胞の活性化方法について検討を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は動物実験室の改築が行われ、大型動物を用いた実験ができなかったため。 大型動物を用いて骨膜反応やサイトカインを応用した骨原性細胞の活性化方法について研究を行う.
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