2013 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼による胃の運動機能調整における自律神経機能と消化管ホルモンの役割の解明
Project/Area Number |
24593104
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大牟禮 治人 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (00404484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80295807)
永山 邦宏 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60583458)
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Keywords | 歯科矯正学 / 咀嚼 / 消化管運動 / 消化管ホルモン / 自律神経 |
Research Abstract |
咀嚼が食物の消化吸収に果たす役割については、食物粉砕が強調され、咀嚼による消化管機能の調整について検討されることはほとんど無かった。本研究は、咀嚼が消化管機能に及ぼす影響を、特に上部消化管の運動機能とその調整機構に着目して検討するものであ る。 平成25年度は、咀嚼が胃の活動や自律神経機能、血糖値および消化管ホルモンの分泌動態に与える影響の検討するため、健康で個性正常咬合を有する成人男性数名を対象として、咀嚼あり(MST群)・なし(CNT群)の2条件で、13C呼気試験による胃排出能評価と胃電図を用いた胃の運動機能評価、心拍変動解析による自律神経機能評価、血糖値の測定、採血を行った。試験食には液状食を使用し、呼気試験と胃の運動機能、自律神経機能の解析には平成24年度で確立した手法を用いた。 採血による消化管ホルモン測定には短時間での多頻度サンプル採取が必要となるため、現在連携研究者(消化器内科専門医)と協力して手技の確立と測定精度の確認を行っているところである。採取した血液から血漿を分離し、消化管ホルモンを定量する手技についてては平成26年度上半期に確立し、サンプル数を増やしつつ消化管ホルモンによる液性調整の影響等について検討を進めて行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、平成25年度は呼気試験や胃電図、心電図などの計測条件を確立するとともに、消化管ホルモンの定量的評価に必要な基礎データを確立する予定であった。実際の達成度としては、呼気試験や胃電図、心電図の計測条件は確立され安定したデータ採得 も行えるようになり、咀嚼が胃の活動や自律神経機能に与える影響に関しては新たな知見を得ることができた。内分泌機能に与える影響に関しては上部消化管機能に関連する消化管ホルモンが多種多様に及ぶ。高精度な解析には短時間の多頻度採血によるサンプル採取が必要となるため、専門家(消化器内科専門医)と新たな手技を開発中である。現時点で手技の確立については大凡の目途が立っており、今後測定精度を確認した後、データを収集していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は咀嚼による胃活健康で個性正常咬合を有する成人男性を対象として、咀嚼あり(MST群)・なし(CNT群)の2条件で、13C呼気試験による胃排出能評価と胃電図を用いた胃の運動機能評価、心拍変動解析による自律神経機能評価、血糖値や消化管ホルモン動態の解析を行う。歯根膜の体性感覚が咀嚼による胃の活動調整に与える影響を調べるため、歯根膜感覚の遮断を行いデータ測定を行う。遮断には浸潤麻酔と下顎孔伝達麻酔を組み合わせて行い、血管収縮薬が自律神経機能に影響を与えないよう局所麻酔薬にはスキャンドネストを用いる。対照には同様の手技で生理食塩水を注入した際のデータを使用する予定である。平成25年度計画では咀嚼が消化管ホルモンなどの内分泌機能に与える影響に関しては一部未達成の項目が残った。これらの項目については、次年度以降に本年度と同様な実験系でデータ収集を行うため、それらの実験中に追加のデータ採取を行っていく予定であり、それに伴う消化管ホルモンの測定費用(消耗品等)として使用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
内分泌機能に与える影響に関しては上部消化管機能に関連する消化管ホルモンが多種多様に及ぶ。高精度な解析には短時間の多頻度採血によるサンプル採取が必要となるため、専門家(消化器内科専門医)と新たな手技を開発中である。現時点で手技の確立については大凡の目途が立っており、今後測定精度を確認した後、データを収集していく予定である。 消化管ホルモン関連の項目については、次年度以降に本年度と同様な実験系でデータ収集を行うため、それらの実験中に追加のデータ採取を行っていく予定であり、それに伴う消化管ホルモンの測定費用(消耗品等)として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)