2014 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内pHの日内変動と幼若永久歯の萌出後成熟に関する研究
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24593109
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
渡部 茂 明海大学, 歯学部, 教授 (60113049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 幸嗣 明海大学, 歯学部, 講師 (30570650)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エナメル質 / エナメル質の成熟 / μCT / HUV / ミネラル / 唾液 / 埋伏過剰歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、エナメル質ハイドロキシアパタイト結晶の萌出後成熟について検討するために、埋伏過剰歯と萌出過剰歯のエナメル質ミネラル密度をマイクロCTにて測定した。 【方法】本病院小児歯科外来で抜去された萌出過剰歯(n=5)および埋伏過剰歯(n=3)をマイクロCTを用いて撮影し、任意の部位にてエナメル質の表層からの深度ごとに平均Hounsfield Unit値(HUV)を測定し(0μm以上100未満、100μm以上200μm未満、200μm以上300μm未満、300μm以上400μm未満)、各歯における各深度のHUVを歯の種類(萌出過剰歯、埋伏過剰歯)およびエナメル質表面からの深度に基づいて比較した。 【結果】萌出過剰歯(7008±856)と埋伏過剰歯(7865±1177)の間において、HUVに有意差を認めた(p<0.05).また萌出過剰歯の0μm以上100未満におけるHUV(7779±584)が埋伏過剰歯の300μm以上400μm未満のHUV(7054±963)よりも有意に高値を示した(p<0.05). 【考察】本研究における多元配置分散分析では、エナメル質の成熟は表層から始まり、徐々に深部へ進行していくことが示唆された。しかしながら、同じ深度における萌出過剰歯と埋伏過剰歯HUVの比較においては、有意差は認めなかったものの、埋伏過剰歯が萌出過剰歯よりも高い値をとる傾向が認められたことから、一律に萌出後にエナメル質が成熟してミネラル密度が高くなるという説に疑問を呈する結果となった。埋伏過剰歯も顎骨内で組織液に絶えず曝露しており、顎骨内でもエナメル質が成熟する環境が整っている可能性も示唆され、エナメル質の萌出後成熟という現象については、今後さらなる検索が必要であると考えられた。
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Research Products
(6 results)