2014 Fiscal Year Annual Research Report
海綿骨を考慮した下顎骨のイメージベース・大規模マルチスケール動的解析
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24593110
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中納 治久 昭和大学, 歯学部, 准教授 (80297035)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射光CT / 下顎骨 / 有限要素法 / 動的解析 / 皮質骨 / 海綿骨 / CT値 / ヤング率 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究は、①下顎骨における海綿骨を考慮したイメージベース・大規模動的有限要素解析(以下、)FEM)の実現を目的とした。さらに、②FEMに必要な皮質骨の不均質性を考慮したヤング率推定方法の提案と③下顎骨の内部構造と骨密度を正確に計測し、④骨密度分布に基づく不均質性が動的FEMに与える影響を評価した。【方法】①下顎骨を分割しマイクロCT装置(SMX-90CT)で撮像した。下顎骨の合成画像を作製した後、イメージベースFEMソフトVOXELCON(くいんと製)を用いて動的FEMを行った。②ヒト大腿骨皮質骨から均一断面試験片を作製、μCT装置(SMX-90CT)で測定し万能試験機(INSTRON 5500R)による3点曲げ試験、μCT画像からヤング率同定方法を推定した。③下顎骨皮質骨を高エネルギー加速器研究機構放射光施設で撮像を行い、骨内部構造の観察とCT値の計測を行った。さらに、CT撮影用加圧装置による圧縮試験も行った。④下顎骨に空間的な骨密度分布を考慮した解析モデルとCT値に関係なく単一のヤング率を与えたモデルとの結果を比較検討した。【結果】①要素数1,500万画素の下顎骨イメージベース・大規模動的解析が可能となった。②骨密度をパラメータとしたヤング率をΕ (ρ)= 17000ρ3.745と推定した。③放射光CTの結果から、下顎骨各部位で皮質骨の内部構造、CT値が異なっていた。④骨密度とヤング率の分布を反映した動的FEM応力解析において、CT値に関係なく単一のヤング率を与えて解析を行った結果と有意な差は表れず、下顎骨の衝撃解析において骨密度とヤング率の空間的な分布は考慮する必要がないことが確認できた。【考察】下顎骨における海綿骨を考慮したイメージベース・大規模動的有限要素解析が可能となった。なお、皮質骨の骨密度分布に基づく不均質性は考慮しなくても良いと示唆された。
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Research Products
(3 results)