2012 Fiscal Year Research-status Report
低出力超音波パルスによる歯の骨性癒着抑制効果について
Project/Area Number |
24593111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
本吉 満 日本大学, 歯学部, 准教授 (40246913)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | LIPUS / 骨性癒着 / 再植歯 |
Research Abstract |
再植歯や外傷歯を移動する際、骨性癒着により矯正歯科治療自体を見直さざるを得ない場合がある。そうした外傷歯や再植歯などの侵襲を受けた歯根膜の治癒促進にLIPUSが作用し、骨性癒着を抑制、予防できるのではないかと考え、LIPUSによる歯周組織回復促進、骨性癒着抑制効果の検証を行なうことを目的に、ラットを用いてin vivoにて検証を行う。 この目的の遂行のためには再植歯の骨性癒着モデルを用いた実験系を確立する必要がある。本研究では当初、kvinnslandらの再植法に準じて骨性癒着モデルの作製を試みた。再植後のMicroCT像所見より、14週以降に根尖周囲の歯槽骨の吸収が生じ、経時的に増大していく像が観察された。そこで、kvinnslandらの再植法に改変を加える必要性が生じた。すなわち、歯根膜削除による歯根尖への感染を防止する目的で、歯根膜削除を行う仮定を省き、無菌下での抜歯即時再植を行い、さらに再植歯への過剰な咬合干渉を除去することとした。具体的にはChenらが行ったように前歯部にバイトプレートを用いて臼歯部への咬合負担を軽減した。 その結果、歯根尖における歯槽骨の吸収が抑制され、歯牙の動揺も顕著に減少した。PERIOTESTによる動揺度検査およびMicroCT像所見より、歯根膜腔の消失が確認され、骨性癒着モデルの完成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、kvinnslandらの再植法に準じて骨性癒着モデルの作製を試みたが、癒着が生じなかったことから、方法を試行錯誤し、骨性癒着モデルの完成に手間取ったことが研究の進行の遅れに繋がった。当該年度の研究により、確実に骨性癒着させる方法を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
確実な骨性癒着モデルの作製が可能となったので、今後はこれを用いてLIPUSの骨性癒着抑制効果についてin vivoにて検証することができる。すなわち、骨性癒着を生じる経過において、ラットの顎骨にLIPUSを照射し、どのような影響を与えるかを実験する予定である。LIPUS照射群(実験群)と非照射群(対照群)の再植歯の動揺度の変化、およびCT像により得た歯根膜腔の変化を観察し、対照群の骨性癒着の発生時期と程度、範囲について詳細に検討し、これに対する実験群の変化を比較検討することによりLIPUSによる骨性癒着抑制効果について時系列で評価する。評価方法は歯周組織、特に歯根膜組織の蛍光顕微鏡像を観察することにより行う。具体的には以下の手順で行う。 I)ラット30頭を実験群、残りの30頭を対照群とし、実験群のラットの顎部に低出力超音波パルス発生器(オステオトロンIV)を用いてLIPUSを照射する。LIPUS照射条件は周波数1.5 MHz、出力60 mW/cm2、1回の照射時間を20分とする。対照群にはLIPUS照射を行わない。 II)実験群へのLIPUS照射は再植手術直後から3週間に渡り、毎日行う。 III)全身麻酔下にて、動揺度計測器(PERIOTEST)を用いて再植手術直後および再植後週1回の頻度で再植歯の動揺度を計測し、歯の生着状態について4週間に渡り評価する。 IV)MicroCT撮影装置を用いて、再植手術の1週後より週1回の頻度で、動揺度計測と同日にCT撮影を行い、実験群と対照群の第一臼歯周囲のCT像により、歯根膜腔の消失の有無を観察し、再植歯の生着状態を4週間に渡り、経時的に評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究が当初の計画よりやや遅れたため、研究費を消化できなかった。次年度に当該研究費を実験動物等の消耗品の購入に充てる予定である。
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