2014 Fiscal Year Annual Research Report
特異的破骨細胞抑制剤による効率的歯の移動と歯周病予防システムの開発
Project/Area Number |
24593115
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
後藤 滋巳 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60142577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 健 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60301636)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯学 / 矯正学 / 歯周病 / 破骨細胞 / 病理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科矯正治療では歯を移動するだけでなく、移動してはいけない歯までが動いてしまうことがあり、固定について考えることが重要である。そこで本研究では、破骨細胞の機能を特異的に抑制することによって、歯の移動を自由にコントロールすることと、矯正治療前・中・後において、歯周病に罹患した歯の周囲骨における骨吸収の進行抑制を可能にするシステムを構築することを目的とした。 本年度は破骨細胞を特異的に抑制する薬剤(リベロマイシンA)が歯槽骨の吸収を抑制することが可能かどうかを確認するために、歯槽骨の吸収を引き起こす実験的モデルマウスの作製を行った。方法としては、生後8週齢雄性のワイルドタイプマウス6匹を用い、上顎左側第一臼歯、第二臼歯間の接触点の周囲を直径0.1mmのステンレス製矯正用結紮線を通して結紮した。右側を対照群として、装着4週後、8週後に上顎骨を採取し、マイクロCT撮影、組織学的観察を行った。その結果、マイクロCT所見では結紮線を装着した部位は装着していない部位に比べて有意に歯槽骨が減少していた。 また、採取した上顎骨をパラフィンで包埋し組織学的観察を行った。その結果、4週後、8週後ともにアタッチメントロスと歯槽骨吸収が認められた。特に8週後では明らかに認められた。さらに炎症細胞(主に好中球)の浸潤、破骨細胞数の増加と毛細血管の拡張は、結紮後4週と8週に観察され、マウスにおける矯正用結紮線を用いた新たな歯周病モデルを作製することができた。以上について結果をまとめた論文が掲載された。
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