2013 Fiscal Year Research-status Report
口蓋発生時の癒合部上皮消失過程における基底膜の動態
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24593116
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
岡 暁子 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (60452778)
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Keywords | 口蓋発生 / Fibrillin / TGF-betaシグナル / 細胞増殖 |
Research Abstract |
平成24年度に行った、マイクロアレイの結果から、口蓋間葉に発現するFibrillin-1 遺伝子発現に焦点をしぼり解析を進めた。胎生13.5日齢から胎生14.5日齢のマウス頭蓋を採取し、無固定・非脱灰にて凍結切片を作成し、Anti-Fibrillin-1 抗体を用いて免疫組織学的解析を行った。また、口蓋組織を前方の硬口蓋領域と後方の軟口蓋領域とに区別し、口蓋組織の前後によって、Fibrillin-1発現の比較検証を行った。 Fibrillin1は、胎生13.5日齢、14.5日齢においても間葉の鼻腔側に発現し、基底膜にもその発現を認めた。また、口蓋後方部、軟口蓋領域のほうがその発現を広く認めた。 Fibrillin-1遺伝子は、マルファン症候群の責任遺伝子であることは既に明らかとなっており、このマルファン症候群の口蓋症状として、高口蓋があげられることから、高口蓋発症機序を明らかにすることを目的とした。TGF-bシグナルは、口蓋間葉において細胞増殖を促進しており、また、マルファン症候群ではTGF-bシグナルの亢進が認められていることから、Fibrillin-1発現領域と、細胞増殖との関係を明らかにするため、Anti-Ki67抗体との2重染色、またBrdUを注入したマウスを用いAnti-BrdU抗体を用いて染色を行った。 Fibrilli-1が発現している領域としていない領域での細胞増殖活性をカウントし比較したところ、Fibrillin-1発現領域では細胞増殖活性が低下していることが示唆された。現在、サンプル数を増やし、統計学的な手法で明らかにすることを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞増殖活性をFibirillin-1発現領域と比較するための2重染色のプロトコールを作成するのに、多くのパイロット実験必要であった。Fibrillinを可視化するには、無固定、非脱灰が条件であるが、Ki67, BrdU を可視化するためにもさまざまな前処理が必要で、それぞれの条件設定を決定するのに時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
組織学的な解析を終了し、in vitro での実験を開始し、Fibrillin-1と細胞増殖との関係について、さらに解析をすすめていく。 また、Fibrillin-2については、発現解析が進んでいたいため、こちらは組織学的な局在をさらに明らかにしていく。 また、Fibrillin蛋白関連因子で、上皮に発現している分子を文献等を参考にいくつかに絞り、上皮消失にも関連があるかについて検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験解析を行うに当たって、予定していたよりも消耗品購入が少なかったため、57,622円の残高が生じた。 次年度の消耗品購入に充てる予定である。
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