2014 Fiscal Year Annual Research Report
タイムコントロール-ナノゲル-サイトカインカクテルによる歯周組織再生療法の開発
Project/Area Number |
24593118
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小田 茂 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 准教授 (70160869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 宏明 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (50396967)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯周組織再生 / 歯周病 / スキャフォルド |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、歯周組織再生におけるスキャフォルドに関しての研究を行った。歯周組織の再生には細胞、細胞増殖因子、スキャフォルドの3つの要素が必要である。現在まで、スキャフォルドとしては自家骨、他家骨、人工骨、生物由来材料などか開発研究されてきたが、近年、細胞や細胞増殖因子を保持しその場にとどめておくことができる材料が発展してきている。β-Tricalcium phosphate (TCP)は吸収性の合成材料として応用されてきたが、いままでのものは顆粒状もしくはセメント状のものであり、形態を保持しづらく、増殖因子保持や内部で細胞が定着しづらいという欠点があった。今回、新規材料として2つの材料を使用した。1つは、β-TCP にゼラチンを組み合わせスポンジ状に加工することにより細胞や細胞増殖因子が入り込めるスペースを持たせたゼラチンハイドロゲル。もう一つは、ランダムトンネル型β-TCP (気孔率 69%,パイプ長 0.9mm、パイプ外径 0.5mm、パイプ内径 0.3mm)である。これら新規材料を用い、外科的に作成したビーグル犬骨欠損における歯周組織再生を検討した。 その結果、ゼラチンハイドロゲルでは病理組織所見において根分岐部骨欠損中央部にβ-TCP 様構造物が認められ、根面においては新生セメント質様組織像が認められた。ランダムトンネル型β-TCPにおいて組織学的に骨様硬組織新生が認められた。また歯根象牙質表面には新生セメント質様硬組織が認められた。術後 12 週 では、補填材は完全には吸収されず残存しており、管腔構造の内壁には骨様硬組織の新生を認め、その中心部では血管新生が認められた。 本材料には生体為害性はなく、生体親和性の良い材料と考えられる。骨欠損における歯周組織再生において、有効な材料であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] エナメルマトリックスデリバティブを用いた先進医療の臨床評価と 歯周組織再生予測因子の検討2014
Author(s)
塩山 秀裕, 水谷 幸嗣, 青山 典生, 須田 智也, 田中 敬子, 遠藤 亜希子, 楠 侑香子, 山脇 史寛, 藤 原―高 橋 香, 木下 淳博, 荒川 真一, 小田 茂, 和泉 雄一
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Journal Title
日本歯周病学会会誌
Volume: 56
Pages: 302-313
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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