2013 Fiscal Year Research-status Report
歯周炎罹患歯肉局所におけるアルツハイマー病関連遺伝子の発現亢進を探る
Project/Area Number |
24593119
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
久保田 健彦 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50303136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中曽根 直弘 新潟大学, 医歯学総合病院, その他 (20447634)
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Keywords | 医療・福祉 / 歯学 / 免疫学 / 病理学 / 遺伝子発現 / タンパク質局在 |
Research Abstract |
APP, IL-1beta, C1QA遺伝子発現レベルの解析 対象者: 新潟大学医歯学総合病院を受診し、重度慢性歯周炎患者と診断されインフォームドコンセントの得られた患者14名 、非歯周炎患者14名。 試料採取: 歯周外科時に歯周ポケット底相当部上皮および結合組織を採取。対照群として、健常者の智歯抜歯時あるいは矯正の便宜抜歯時に炎症のない歯肉を同様に採取し。試料はRNA安定化溶液に24時間浸漬後 (-80℃にて保存する。組織解析用試料は4%PFAに24時間浸漬固定後PBSに保存。 qRT-PCR解析: RNA iso(TaKaRa) を用いてtotal RNAを抽出、PrimeScriptTM RT reagent Kit (TaKaRa)を用いた逆転写酵素反応によりcDNAを合成する。cDNAは、-20℃にて凍結保存する。試料の数が十分に確保された後、ABI PRISM 7900HT (Applied Biosystem Inc)を用いて、APP, IL-1beta, C1QAについて、特異的プライマーを用いてqRT-PCRを行う。得られた結果はβ-actinで補正し、comparative threshold cycles (Ct法)にて定量する。 免疫組織学的解析 ミクロトームにて5μmに薄切しパラフィン切片を作製し、脱パラフィン、脱水後にヘマトキシリン-エオジン(H-E)染色を行う。免疫染色にはH-E染色した切片の連続切片を用いて、1次抗体に抗APPポリクローナル抗体(Chemicon社)を用いるH-E所見および免疫組織所見は同一部位を写真撮影し、APPの歯肉組織中での局在を解析する。 これまで、順調に解析を進め、中間報告を学会発表し、結果を論文にまとめたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1) APP, IL-1beta, C1QA遺伝子発現レベルの解析 重度慢性歯周炎患者14名 、非歯周炎患者14名の解析を終了した。 試料は、今後の更なる解析に備えRNA安定化溶液に24時間浸漬後 (-80℃にて保存する。組織解析用試料は4%PFAに24時間浸漬固定後PBSに保存している。 2) 免疫組織学的解析 5μmに薄切パラフィン切片を作製し、ヘマトキシリン-エオジン(H-E)染色及び免疫染色用に保存している。1次抗体に抗APPポリクローナル抗体(Chemicon社)を用い、その染色成功した。H-E所見および免疫組織所見は同一部位を写真撮影し、APPの歯肉組織中での局在を解析した。また発現細胞についてCD68を用いた二重線色を行った。これまで、順調に解析を進め、中間報告を国内外で学会発表・結果を論文にまとめ、すでに第一報がパブリッシュされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
更なる解析のために、試料のサンプリングを継続し適宜RNA、パラフィン切片として保存する。第1報で得られた歯周炎罹患炎症組織中におけるAPP, IL-1beta, C1QA遺伝子発現の上昇とMacrophagesによるAPPの産生が、実際歯周炎とアルツハイマー上を結びつけるのか?そのネットワークに神経細胞は関わるのか研究を継続する。具体的には、第1報で用いた試料でAPPの調節に関わる遺伝子群(Neprilysin, アスパラギン酸プロテアーゼ BACE1, ADAM-10, 17, ADAMTS-1)と その最終産物でありアルツハイマー病の主原因といわれるAmyloid beta が実際どの程度歯周炎局所に存在するのかについて明らかにすること。本継続実験は、本研究課題である「歯周炎罹患局所におけるアルツハイマー病関連遺伝子の発現亢進を探る」上で重要な検証となる。最終年度として、本研究成果をまとめ、5月の国内学会 9月の国際学会にて報告し、国際専門誌に投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度は、研究が順調に推移し、第一報のデータが得られた時点でまとめと論文執筆を中心に費用を割いたため、予定していた実験経費はより少なくすんだこと。更に予定していた学会発表や海外出張を行わなかったため、旅費が大幅に削減されたため。 次年度は、第二報の実験と学会出席を予定しており、物品及び海外出張を含む旅費がかかるため、経費を節約して繰り越した。 第二報の実験の物品費と学会出席のための旅費、及び論文投稿のための費用に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)