2014 Fiscal Year Annual Research Report
スケーリング後の菌血症に伴う生体応答~IL-6コンポーネントとの関連性の解析~
Project/Area Number |
24593120
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小松 康高 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40422597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
両角 俊哉 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20444151)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯周炎 / エルビウムヤグレーザー / 菌血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周炎の治療に必要なスケーリング・ルートプレーニング(SRP)時に発生する「菌血症」による生体応答反応を、エルビウムヤグレーザーと従来法で処置した場合で比較解析することを目的に、プロジェクトを実施した。 新潟大学医歯学総合病院・歯周病科を受診し、インフォームドコンセントの得られた全顎的に中等度~重度慢性歯周炎に罹患した20名(レーザー群:10名、ハンド群:10名)の1/4口腔を対象とし、ベースライン時に歯周組織検査、歯周ポケット内細菌検査、および採血を行った。各群とも局所浸潤麻酔下にて、ハンド群はハンドスケーラー、レーザー群は、エルビウムヤグレーザー(Erwin AdvErl、モリタ社、PS600Tチップ、出力:100mJ, 10pps)各々単独にてSRPを行った。また、SRP開始6分後に採血し、菌血症発症頻度について調べた。1か月後、歯周組織検査、歯周ポケット内細菌検査を行い再評価した。 ①両群において、治療後は術前に比較し、PPD, CALが有意に減少した。また、BOP陽性率は、術前に比較して、レーザー群でのみ有意に減少した(レーザー群 P=0.005, ハンド群 P=0.10)。②レーザー群では、術後にP. intermediaが有意に減少した(P=0.02)。また、総菌数、P. gingivalis, T. denticolaは術後に減少傾向が認められた(P<0.1)。一方、ハンド群では、術後P. gingivalisは有意に減少し(P=0.046)、総菌数は減少傾向が認められた(P=0.06)。③菌血症頻度は、術前は両群とも0%であった。また、SRP術中では、ハンド群80%(8/10名)、レーザー群では、0%(0/10人)であり、2群間で有意差が認められた(P=0.0003)。④ハンド群において主に検出された細菌はStreptococcusであった。
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