2012 Fiscal Year Research-status Report
歯周組織およびインプラント周囲組織の破壊機序解明に関する実験病理学的研究
Project/Area Number |
24593127
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原 宜興 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60159100)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 高士 長崎大学, 大学病院, 講師 (10284697)
鵜飼 孝 長崎大学, 大学病院, 講師 (20295091)
吉永 泰周 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60452869)
吉村 篤利 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70253680)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 歯周ポケット / A. actinomycetemcomitans / S. aureus / 免疫組織学的研究 |
Research Abstract |
A. actinomycetemcomitansおよびS. aureusの菌体を超音波破砕したものを菌体破砕物として使用した。A. actinomycetemcomitansおよびS. aureusの菌体破砕物をFreundのcomplete adjuvantの混合物で腹腔内注射による一次免疫を行い、その4週間後に菌体破砕物とFreundのincomplete adjuvant混合物で二次免疫を行った。 二次免疫後、腹腔感作した抗原と同一の抗原を歯肉溝に30分間連続して塗布し、これを24時間毎に10日間連続して行った。 また対照としそれぞれの菌体破砕物で感作せず歯肉溝への塗布のみの群と、菌体破砕物を含まないPBSのみを腹腔投与と歯肉溝塗布した群を作製した。そして形成された歯周ポケットの深さを測定し、免疫組織学的に免疫複合体の存在を確認した。その結果PBS対照群では全く歯周ポケット形成を見なかったのに対し、菌体破砕物で感作した群では著しい歯周ポケットの形成が見られた。また腹腔感作せず歯肉溝塗布のみを行った群でも歯周ポケットの形成が見られたが、感作しておいた群の方が優位に歯周ポケットの深さは深かった。また感作群では免疫組織学的に免疫複合体の存在が確認された。この現象は腹腔感作せずに歯肉溝に菌体破砕物を塗布したのみの群では観察されなかった。このことからグラム陰性、陽性に関わらずそれぞれの菌体破砕物は歯周ポケットを誘導しうること、さらに抗原としてあらかじめ感作しておくと歯肉溝周囲で免疫複合体が形成されこれがさらに歯周ポケットの形成を促進することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の一部がJournal of Periodontal Reseearchに受理された。
|
Strategy for Future Research Activity |
ラットの右上顎第一臼歯を抜歯後、抜歯窩に小サイズのインプラント体を植立する。そしてLPSまたはPGNによる感作を行い、P. gingivalis、A. actinomycetemcomitans、F. nucleatumおよびS. aureusから精製したLPSまたはPGN(S. aureusはPGNのみ)で一次免疫を行い、その4週間後にLPSまたはPGNで二次免疫を行う。二次免疫と同時に抗原を口蓋側インプラント周囲溝と上顎左第一臼歯口蓋側歯肉溝に塗布する。これを10、20、30日間連続して行う。塗布部位を採取し、上顎左第一臼歯はパラフィン切片を作製する。右第一臼歯部は研磨標本を作製して、両者のアタッチメントロスの幅、歯槽骨吸収の程度を組織形態学的に測定し、比較する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に使用するラットの動物購入費、ミニインプラント、実験用試薬等の消耗品費と成果を学会で発表するための旅費とする。
|
Research Products
(4 results)