2012 Fiscal Year Research-status Report
障害者における口腔状態,口腔機能および生活習慣と骨密度との関連に関する臨床的研究
Project/Area Number |
24593152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森 貴幸 岡山大学, 大学病院, 助教 (90274000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 尚道 岡山大学, 大学病院, 助教 (10407546)
山本 龍生 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (20252984)
森田 学 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40157904)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 障害者 / 骨密度 / 生活習慣 / 歯周状態 |
Research Abstract |
障害者の骨密度、口腔状態および生活習慣との関連について検討を行うため、以下の3点に関するデータ収集を行った。①障害者の骨密度およびコントロールとして比較する健常者の骨密度。骨密度の測定には超音波骨量測定器ビーナスα UBM200((株)石川制作所製)を使用した。②対象となる障害者の骨密度に影響すると考えられる各要因(身長、体重、性腺機能、摂食・嚥下機能、食生活、常用薬,運動の状態および嗜好品(アルコール飲料,タバコ))。データ収集は,アンケート調査にて行った.③対象となる障害者の歯および歯周組織の状態。歯および歯周状態の診査は受診時に得られたデータを使用した。また,保存されている診療録およびレントゲン写真の回顧調査を行い、歯および歯周状態の変化を記録した。 以上のデータを使用して、障害者の年齢階層別骨密度の実態、生活習慣と骨密度との関連、歯周状態と骨密度との関連に関する研究を行った。この研究により得られた結論は、①障害者群は健常者群よりも骨量が低い、②障害者の骨量が低い原因として運動不足が推測された、③女性の障害者における低骨量群は正常骨量群よりも歯周病で歯を喪失する割合が高い、④歯周病での歯の喪失には、欠損歯数とともに骨量が大きく影響している、の4点であった。 上記の研究結果は、第23回日本疫学会(平成25年1月 大阪府吹田市)にて発表され、Special Care Dentistry Association's 25th Annual Meeting (平成25年4月 米国ニューオリンズ)においても発表予定である。また、英訳を行い、障害者歯科関連の英文雑誌への投稿を準備中である。 上記の研究成果は、本課題の目的である、障害者の骨密度の維持・増進を通じた口腔状態の向上において、重要な基礎資料となると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、超音波骨量測定器Benus α((株)石川制作所製)のリース料支払い、研究関連図書の購入、研究に使用するコンピュータ・ソフトウェアの購入に物品費を使用した。以上の物品を使用し、調査対象者および対照者の骨密度の計測、アンケート調査による、データ収集、解析を行った。また、旅費により生理学、障害者歯科および福祉関連の各学会に参加、研究課題に関連する演題の発表を行うとともに講演およびシンポジウムの聴講を通じて、研究課題に関する情報を収集、 研究者との交流を行った.その他、英語による学会発表、論文投稿のための翻訳依頼に経費を使用した. 平成24年度の研究により、①障害者群は健常者群よりも骨量が低い、②障害者の骨量が低い原因として運動不足が推測された、③女性の障害者における低骨量群は正常骨量群よりも歯周病で歯を喪失する割合が高い、④歯周病での歯の喪失には、欠損歯数とともに骨量が大きく影響している、以上4点の知見を得た。 以上の知見は、本課題の目的である、障害者の骨密度の維持・増進を通じた口腔状態の向上において、重要な基礎資料となると考えられる。今後は、上記の知見をもとにして、障害者の骨密度維持・増進に関わる介入研究を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、データ収集を行った患者グループを対象としたコホート研究の体制作りおよび研究の実行を目標とする。具体的には、データ収集を行った患者のうち、骨密度低下が認められた者、諸要因から骨密度低下が懸念されると判断した者を対象として、骨密度維持・改善を意識した歯科治療、口腔ケア、摂食・嚥下リハビリテーション、生活指導および栄養指導の介入を行う。また、定期的に骨密度測定を行う。 平成26年度は、データ解析による、障害者における骨密度と生活習慣および口腔状態との関連を表す資料の作成を目標とする。具体的には、介入調査の対象としたコホート集団の期間内における歯科治療、口腔ケアの実態および口腔状態の変動と摂食・嚥下リハビリテーション、生活指導および栄養指導と骨密度測定値との関連について解析を行い、障害者歯科による骨密度維持・改善に関する可能性について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、物品費として超音波骨密度測定器のリース料の支払いを続行する。また、平成24年度末に超音波骨密度測定器の故障が明らかになったため、平成24年度から研究費を繰り越し、繰り越した研究費を使用して、骨密度測定器の修理を平成25年度に行う。平成25年度もコンピュータ・ソフトウェアおよび研究関連図書の購入を行い、研究環境の充実に努める。 旅費として、平成24年度と同様に国内外の生理学、障害者歯科および福祉関連の各学会に参加、研究課題に関連する演題の発表を行うとともに講演およびシンポジウムの聴講を通じて、研究課題に関する情報を収集、 研究者との交流を行う。また、できる限り積極的に、研究課題に関する発表を行う。 平成25年度は、研究に関するデータの増加が予測されるため、データ収集および解析の一部を、医局員(大学院生)および学部学生に依頼する予定である。そのため、謝金の支出も予定している。 平成25年度には、海外学会での発表および英文雑誌への論文投稿を予定している。そのための英訳依頼,英文の添削および論文掲載料の支出も予定している。
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Research Products
(2 results)