2013 Fiscal Year Research-status Report
障害者における口腔状態,口腔機能および生活習慣と骨密度との関連に関する臨床的研究
Project/Area Number |
24593152
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森 貴幸 岡山大学, 大学病院, 助教 (90274000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 尚道 岡山大学, 大学病院, 助教 (10407546)
山本 龍生 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (20252984)
森田 学 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40157904)
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Keywords | 障害者 / 骨密度 / 生活習慣 / 歯周状態 / 摂食・嚥下機能 / 栄養状態 / 運動状態 |
Research Abstract |
障害者の骨密度,口腔状態および生活習慣との関連について検討を行うため,以下の3点に関するデータ収集を行った。①障害者の骨密度およびコントロールとして比較する健常者の骨密度。骨密度の測定には超音波骨量測定器ビーナスαUBM200((株)石川制作所製)を使用した。②対象となる障害者の骨密度に影響すると考えられる各要因(身長、体重、性腺機能、摂食・嚥下機能、食生活、常用薬、運動の状態および嗜好品(アルコール飲料、タバコ))。データ収集は、アンケート調査にて行った。③対象となる障害者の歯および歯周組織の状態。歯および歯周状態の診査は受診時に得られたデータを使用した。また、保存されている診療録およびレントゲン写真の回顧調査を行い、歯および歯周状態の変化を記録した。 以上のデータを使用して、障害者の年齢階層別骨密度の実態、生活習慣と骨密度との関連、歯周状態と骨密度との関連に関する研究を行った。この研究により得られた結論は、①障害者群は健常者群よりも骨量が低い、②障害者の骨量が低い原因として運動不足が推測された。③女性の障害者における低骨量群は正常骨量群よりも歯周病で歯を喪失する割合が高い、④枝種苗での歯の喪失には、欠損歯数とともに骨量が大きく影響している、の4点であった。 上記の研究結果は、「Low Bone Mass is a Risk Factor in Periodontal Disease-Related Tooth Loss in Patients with Intellectual Disability」Theのタイトルで英文雑誌The Open Dentistry Journal に掲載された。 上記の研究成果は、本課題の目的である、障害者の骨密度の維持・増進を通じた口腔状態の向上において、重要な基礎資料となると考えられる。 現在は、上記の研究で対象とした障害患者を対象として、歯周状態と骨密度の変化について観察を続けている。また、対象者には摂食・嚥下リハビリテーション、栄養および運動に関する指導を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度、平成25年度は、超音波骨量測定器BenusαUBM200((株)石川制作所製)のリース料および修理費の支払いを行った。また、研究関連図書の購入、研究に使用するコンピュータソフトウェアの購入に物品費を使用した。以上の物品を使用し、調査対象者および対照者の骨密度の計測、アンケート調査による、データ収集、解析を行った。また、旅費を使用し生理学、障害者歯科、精神神経科および福祉関連の各学会に参加、研究課題に関する情報を収集、研究者との交流を行った。その他、英語による学会発表、論文投稿のための翻訳依頼に経費を使用した。 平成25年度までの研究により、①障害者群は健常者群よりも骨量が低い、②障害者の骨量が低い原因として運動不足が推測された、②女性の障害者における低骨量群は正常骨量群よりも歯周病で歯を喪失する割合が高い、④歯周病での歯の喪失には、欠損歯数とともに骨量が大きく影響している、以上4点の知見を得た。 現在は、上記の研究で対象とした障害患者をコホートとして、歯周状態と骨密度の変化について観察を続けている。また、対象者には摂食・嚥下リハビリテーション、栄養および運動に関する指導を行っている。 当初目標では、平成25年度中にデータ収集を終えて、平成26年度はデータ解析と結果の発表および論文投稿にあてる予定であった。しかし、新たな介入とデータ収集はやや遅れており、平成26年度中に学会発表と論文投稿を終えるには努力を要するのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、データ収集を行った患者グループを対象としたコホート研究の実行および研究結果の発表を行う予定である。コホート研究は、データ収集を行った患者のうち、骨密度低下が認められた者、諸要因から骨密度低下が懸念されると判断した者を対象として、骨密度維持・改善を意識した歯科治療、口腔ケア、摂食・嚥下リハビリテーション、生活指導および栄養指導の介入を行う。また、定期的に骨密度測定を行っている。上記のデータを解析、障害者における骨密度と生活習慣および口腔状態との関連を表す資料を作成する。また、歯科による障害者の骨密度維持・改善に関する可能性について検討する。その結果に基づき、平成26年度中に関連学会での発表、論文投稿を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
コホート研究のデータ収集が当初計画よりも遅れているため、学会発表に伴う英文翻訳費用の一部が使用されなかった。 データの収集と解析を急ぎ,当初計画通りに学会発表、論文投稿が行えるようにする。
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Research Products
(1 results)