2013 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原因子とアディポカインの相互作用が血管内皮細胞や肝細胞に与える影響
Project/Area Number |
24593158
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
古堅 麗子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90253674)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 俊行 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10170515)
林田 秀明 長崎大学, 大学病院, 講師 (20238140)
|
Keywords | 歯周病 / アディポカイン |
Research Abstract |
歯周病が全身に及ぼす影響について、我々は歯周病が耐糖能異常を引き起こしている可能性について後ろ向きコホート調査で報告し、血液検査の結果から非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を引き起こしている可能性を指摘した。我々はすでに好中球において、歯周病細菌由来LPSによりレジスチン産生量の上昇を確認している。LPSは、ごく微量で脂肪組織や肝臓における脂質代謝に影響を及ぼすことが報告されており、LPSがマウスの肝臓や脂肪組織への脂肪沈着と体重増加を引き起こすことが報告されている。 別のアディポカインであるPAI-1は、血液の凝集を引き起こし血栓形成と関連し、その産生量増加は動脈硬化や脳梗塞リスクを上昇させることが報告されている。本研究で、肝細胞株において、歯周病細菌および大腸菌由来LPSによる刺激によりPAI-1が産生されることを確認した。現在、JNK、MAPK関連抗体を用い、発現レベルを確認することで、関連するシグナル伝達経路を解析している。今後、ヒト肝細胞と血管内皮細胞単独、またはヒト由来単球および好中球、単球系細胞との共培養条件下で、歯周病関連細菌菌体またはLPSで刺激し、レジスチンやPAI-1、各種サイトカインの発現について転写制御レベルおよび翻訳レベルでの解析を行う予定である。これらのことより、細胞相互作用に対する影響およびシグナル伝達経路を解析し、歯周病による慢性炎症が糖代謝および動脈硬化に関係するメカニズムについて明らかにしていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝細胞株において、歯周病細菌および大腸菌由来LPSによる刺激によりPAI-1が産生されることを確認した。現在、JNK、MAPK関連抗体を用い、発現レベルを確認することで、関連するシグナル伝達経路を解析している。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒト肝細胞と血管内皮細胞単独、またはヒト由来単球および好中球、単球系細胞との共培養条件下で、歯周病関連細菌菌体またはLPSで刺激し、レジスチンやPAI-1、各種サイトカインの発現について転写制御レベルおよび翻訳レベルでの解析を行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共培養の条件を整えるのに時間を要しているため。 今後、ヒト肝細胞と血管内皮細胞単独、またはヒト由来単球および好中球、単球系細胞との共培養条件下で、歯周病関連細菌菌体またはLPSで刺激し、レジスチンやPAI-1、各種サイトカインの発現について転写制御レベルおよび翻訳レベルでの解析を行う予定であり、共培養用プレートを大量に購入予定である。
|